オーディション熱の母子たち 持ち上げるべきなのか

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「スッキリ特別版」(日本テレビ) 2010年4月10日 10時30分~

   「アニー」という子供が主役の人気ミュージカルがある。全体ではたった28人、主役のアニーはダブルキャストでたった2人。この僅かな出演子役を選ぶオーディションに応募した子供と母親に密着したルポである。応募者は9000人、書類審査で705人にまで減らされ、最終的には28人しか残らない苛酷な選抜である。
   昨年秋、3日にわたるオーディションで最後まで残った少女たちには、上の2人が落ちまくり、3女にしてはじめて残った子供もいる。父は関西でラーメン屋をやり、母子は東京に引っ越し、仕送りでレッスンに明け暮れている。毎年最終審査までいくが最後に落ちて4度目や5度目の挑戦という子供もいる。離婚して母(34歳)が働くオーディションと心中しかねない母子もいる。
   筆者は幼女が殺されたアメリカのジョン・ベネ事件を思い出した。親の見栄で娘がレッスンやオーディションに駆り立てられる。決ってこういう母親は「本人の意思」とか「個性を伸ばしてあげたいから」などというが、子供は小さい時から親に価値観を刷り込まれているのである。テレビも残った28人には脚光を浴びせるが、大多数の落ちた子供は見向きもしない。失うものの方がはるかに多いのだ。
   司会の加藤浩次、テリー伊藤、阿部リポーターらが盛んに持ち上げたが、終りまで見てがっくり。即ち、5月に行われるこのミュージカルの、チケット売らんかなの丸ごと宣伝なのであった。金返せ。

(黄蘭)

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