2024年 4月 24日 (水)

ワタミ会長の「『不倫』騒動」記事 「次号で証明」と朝日が啖呵

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   鳩山内閣の支持率下落が止まらない。野党・自民党も離党者が相次ぎ、ついに次期総理大臣候補ナンバーワンの舛添要一前厚生労働相も近く同党を離党して新党を結成する意向を明らかにした。

議席予測

   こうした事態に困惑しているのは、政治家ではない、われわれ有権者のほうである。民主党はイヤだが、さりとて入れたい党もない。小沢一郎幹事長は衆参同日選挙まで画策していると報じられるが、どうしたらいいのやら。

   「現代」は衆参同日選挙になった場合の予測を、「文春」は参議院選挙の予測をしている。現代によれば、民主党が301議席から207議席と大幅に減らし、自民党は116議席から209議席になり、第一党に返り咲くとしているが、舛添氏の離党前の予測だから、自民党がここまで戻すとは考えにくい。注目は、みんなの党で、5議席から9議席へ躍進すると見ている。

   文春は、参議院選挙単独で、民主党は47議席、自民党43議席で、民主党は過半数割れすると読む。ここでも、みんなの党が0から12議席へと大躍進すると見ている。普天間基地移設問題で、アメリカメディアから「愚かな総理」とまでいわれた鳩山由紀夫首相の辞任説も真実味を帯びてきて、混迷する政局は、どこへ向かうのか道筋さえ見えてこない。 競馬に「もうはまだ、まだはもう」という格言がある。多くの人が、もうそろそろ負ける頃だと思って外すと、勝たれる。まだまだこの馬は勝てるだろうと、多くが考えていると、予想に反して負けてしまう。果たして民主党はどちらなのだろうか。

発達障害

   愛知県豊川市で起きた一家5人殺傷事件は、子を持つ親たちに大きな衝撃を与えた。中学卒業後、定職に就かず、約15年もの間、2階の6畳間に引きこもっていた30歳の長男の犯行だった。

   父親だけではなく、1歳の幼女まで無惨に刺し殺している、異常な犯行の動機は、インターネットを勝手に解約されたことだというから、あきれる。長男は、ネット通販の利用額が200万円を超え、カードで70万円の借金までしていたという。

   こうした引きこもりは全国に100万人以上いるそうだが、この惨事が起きた家庭で驚くのは、「ある時、高之(長男=編集部注)が父親の給料が振り込まれる通帳を持ち出して金をおろし、そのまま管理するようになった。一美(父親=編集部注)は『一家の中に泥棒がいる』と嘆いていました」(一美さんの兄・岩瀬保さん)という状態が続いていたことだ。こうして一家の家計を握った高之は、毎月、父親に5万円、母親に4万円を渡して残りは自由に使っていたという(新潮)。

   こうまでされても子供を怒れない親は、事件直前に8回も警察に相談に行っている。だが、警察官が駆けつけて注意すると、長男はあっさりと「わかりました」と応じるので、警察としてはそれ以上踏み込むことができなかったというのだ。

   この不甲斐ない両親を「バカな親だ」と責めるのは簡単かもしれない。引きこもりの長男がいる上に、三男が同じ家で同棲を始め、子供まで育てている家庭を「異常」と決めつけるのは安易すぎないか。

   私の知り合いのライターで、発達障害について取材をしている女性がいる。彼女によれば、2000年に起きた岡山の金属バット母親殺害事件、2005年に母親をタリウムで毒殺しようとした16歳の娘、2006年の奈良で自宅を放火した高校生など、周囲がこの子が発達障害と気付かなかったために起きた悲劇が激増しているという。

   今回の事件を起こした長男も、発達障害であった可能性があるのではないか。自分の子供はそうではないと、自信を持っていいきれる親がどれくらいいるのか。春だというのに、うそ寒い事件である。

   ところで、気になるのは、文春も新潮も長男を「容疑者」とせず、呼び捨てにしていることである。尊属殺人だから呼び捨てでいいということはない。

   今週の他のお薦め記事は、朝日の「渡邉美樹・ワタミ会長 禁断の『不倫』騒動」。渡邉美樹ワタミ会長が居酒屋で儲けたカネで、2003年に理事長に就任した伝統高校「郁文館」(1889年創立)で起きている大騒動。彼の側近だった「郁文館」常務理事が突然辞表を出して辞め、その背景には渡邉氏の不倫のごたごたがあるというのだ。この女性の悩みに相談にのっていたK氏の携帯電話に、女性と渡邉氏のメールが残っているのだが、渡邉氏は真っ向から「偽造メールだ」と否定する。それならばと、朝日側はそのメールが本物であることを証明して、次号に掲載すると啖呵を切った。この行方いかがなるのか。

新潮の反骨

   新潮が、名誉毀損で訴えられていた件で、最高裁が出した「謝罪広告掲載」決定に、徹底的に反論している記事も一読の価値あり。記事の最後に載っている謝罪広告では「全面降伏」しているが、新潮の反骨精神を他の週刊誌やメディアは見習うべきである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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