2024年 4月 26日 (金)

まるでコメディーになっていない泣いてばっかりの「学園ドラマ」

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<タンブリング>前宣伝に「正統派スポ根青春コメディー」とあった。コメディーということなら私の世界でもあるので注目していたが、やたら涙シーンばかり多い『スポコン人情劇』でしかなく、コメディーになっていない。

二匹目のどじょう

   ドラマは部員が5人ぐらいしかいない廃部寸前の高校・男子新体操部を舞台に、ヤンキー軍団がひょんなことから入部、部の存続に必死のキャプテンと対立しながらも、次第に新体操の魅力に目覚めていくという展開になるらしい。タンブリングとは前宙返り、バク宙などの回転技のことで、山本裕典、瀬戸康史の仮面ライダーコンビが絡み合って、青春の夢と友情をおバカでハチャメチャな日々のなかに描くという。「おバカでハチャメチャ」というあたりがコメディーということなのだろう。

   しかし、ありがちな設定なので、気のきいた視聴者は初回の『入り』を見ただけで最終回が予想できてしまったのではないだろうか。性格も生い立ちも違う2人が、時にケンカし、時に協力して、最後は強豪チームに勝つというストーリーが容易に想像できてしまう。加えて、話の展開がのろいのだ。初回は2時間スペシャル版ということだったが、この程度の中身なら1時間でまとめてほしい。正直言って、2時間付き合うのはつらかった。

   そもそも、スポ根コメディーと銘打ったセンスがわからない。コメディーは笑えるシーンをやたらに盛り込んでいけば作れるというものではない。このドラマでいえば、青春の希望と挫折を計算された笑いで表現するということだが、簡単なことではない。むしろシリアスなドラマより難しいといえるだろう。一歩間違えれば、悪ふざけに映ってしまうからだ。初回を見るかぎり、ひどいものでございましたとしか言いようがなかった。

   ただ、学園ものは若い人に受け入れられればヒットする。口コミで話題が広がって、回を追うごとにジワジワと人気化するかもしれない。同じように、男子高校生にはマイナーだったシンクロナイズドスイミングを題材にして、高視聴率をたたき出したドラマに「ウォーターボーイズ」があった。はたして柳の下に二匹目のどじょうはいるだろうか。

      人知れぬ 努力でつかめ 男道

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