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予想以上の出来!大野「怪物くん」

<怪物くん>これまでにテレビアニメや映画にもなったが、私の世代にとって怪物くんはあくまでも藤子さんの漫画で、それを実写ドラマにするというので、どんなものになるのだろうと関心があった。4月17日、24日の2回を見る限り、十分合格点がもらえるできになっていると思う。

キャスティングに魅力

   まず、怪物くん役の大野智がしっかりした芝居をやっているのが大きい。アイドルグループのリーダーという人気を当て込んでの起用ではあるが、予想していたより結構演じていて、これは拾い物という印象を持った。

   キャスティングも凝っている。怪物くんのお伴のドラキュラがメガネの八嶋智人、オオカミ男がダチョウ倶楽部の上島竜平、フランケンが格闘家のチェ・ホンマンで、軽妙・滑稽・異様という藤子漫画のテーストをちゃんと盛り込んでいるし、怪物大王(鹿賀丈史)、悪魔界のデモキン(松岡昌宏)、デモリーナ(稲盛いずみ)も違和感がない。大野の演技とキャスティングが成功の理由といえるだろう。

   話は怪物界の王子・怪物くんが、大王になるための修行のために人間界に送り出され、さまざまな経験、人間との交流を通じて、『世の中』を知っていくというものだ。2回目はお金について――。怪物くんはお金というものを知らないという設定で、それを人間界で買い物をしたり、失敗したりしながらお金とは何ぞやということを学んでいく。藤子さんは怪物くんという存在を通して、読者の子供たちに社会を教えたいと考えたのかもしれないが、その意図はテレビドラマでも生かされている。

   嵐の大野にオンブにダッコの企画だが、作戦勝ちといっていいだろう。漫画時代の私のような世代も、ちょっと意表を突かれて面白く見たんじゃないか。

      日本人の ルールを破れ 怪物くん