2024年 4月 23日 (火)

「もんじゅ」運転再開 大ボラか夢の計画か40年後の実用化

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   ナトリウム漏れによる事故で運転を停止していた高速増殖炉「もんじゅ」が、14年5か月ぶりに運転を再開した。14年年間もかかったのは、運転経験のある優秀な技術者が3分の1に減り、施設の老朽化がすすんだからだ。これからかかるコストも計り知れない。そんな批判の中での再開である。

   国は商業用実用炉の建設メドを40年後の2050年に置いているが、専門家は「できるかどうか分からない」という。それでも遠大な夢の実現に向け再開に踏み切ったのは、長期的なエネルギー資源の確保のためである。12日のクローズアップ現代は、コスト抑制と安全確保の二兎を追い、イバラの道覚悟で再スタートに踏み切ったもんじゅの行方を探った。

きわめて難しい運転・制御

   原発はウランを燃料とするが、実際に燃やすことのできるウランはごくわずか。しかし、高速増殖炉ならプルトニウムを燃料にして、発電しながら燃やすことのできないウランを次々と新しいプルトニウム燃料に変えることができる。限りある資源を最大限有効利用できる『夢の原子炉』と呼ばれるゆえんだ。

   ただ、その技術の困難さは、「もんじゅ」が初めて臨界(94年4月)に達し、実用化のとば口に立った翌年の95年12月に事故が発生、以来14年間も止まったままだったことでもわかる。

   事故は原子炉内の冷却材に使っている液体ナトリウムが配管から漏れて空気に触れ、火災が発生したものだった。この液体ナトリウムの取り扱いがいちばんの問題という。空気中に含まれる酸素や炭酸ガス、水分と反応して火災が発生するが、とくに水に触れると激しく反応して水素を発生、水素が空気中の酸素と反応して爆発する。

   1980年当時、日本のほか仏、米、英、独、ソ連も開発を進めていたが、技術的な困難さやコスト問題から相次いで計画を断念したり、撤退した。

   そんななかで、90年代に入っても計画を続行し、今でも発電施設を持っているのは日本とロシアだけ。ところが、ここにきて様相が変わってきた。計画を中止していたフランスが再開へ向けて動き出したほか、韓国や中国、インドが高速増殖炉開発に名乗りを上げたのだ。

文   モンブラン
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