「100万ドル手にするか、誰かを死なすか」-苦悩するキャメロン・ディアスの夫婦

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運命のボタン>舞台は1976年、ヴァージニア州リッチモンド。高校教師のノーマ(キャメロン・ディアス)とNASAの技術者であるアーサー(ジェームズ・マースデン)の夫妻に、ある日、赤いボタンが付いた木箱が届けられる。その日の夕方、スチュワード(フランク・ランジェラ)と名乗る奇妙な男が現れた。夫婦のどちらも面識はないが、赤いボタンについて語り始める。それは、24時間以内にボタンを押せば100万ドルを渡すが、代わりに見知らぬ誰かが死ぬという内容であった。原作はスティーブン・キングなどに影響を与えたリチャード・マシスンの超短編小説。

赤いボタンの奇妙な木箱

   大金を前にボタンを押すか押さないか。選択を突きつけられた夫婦の欲と道徳の狭間で揺れる心理が痛いほどに伝わってくる。「死ぬのが見知らぬ誰かならいいか」と人間なら誰しも考えるだろう。しかし、その後の「罪の意識に耐えられるだろうか」とも考える。夫婦だけでなく、われわれ観客にも「お前ならどうする?」と突きつける迫真性とリアリティーは強烈だ。

   夫婦のエゴを通して物語は哲学的になっていく……と思ったら、SF的な要素も入り込んできて、映画は慌しくあらぬ方向に進んでいく。

   作品のテーマは「人間の絆」である。そこにミステリー、サスペンス、ホラー、SFといったさまざまな要素が入り込んできて、ひと言でいえばまとまりがない。そして、わかりづらい。

   物語をひも解いていくのが好きな映画ファンは楽しめるだろう。が、あまりにオカルト色が強い内容なので、コアな知識を持っていないと、物語に興味は持てないかもしれない。題名の「運命のボタン」をめぐる夫婦の心境や、それを取り巻く出来事から、おもしろくなりそうな雰囲気が強くあっただけに、消化不良感は否めなかった。

   前述した通り、ミステリー・サスペンスファンやコアなオカルト映画ファンならば楽しめるかもしれない(M・ナイト・シャマラン監督の作品好きの方などにもいい)。また、キュートな笑顔を封印し、役者としてバリエーションの豊かさを披露し、新境地を開拓した感のあるキャメロン・ディアスの演技も見所である。

川端龍介

   オススメ度:☆☆

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