失踪するほどの話かよ!と思わせてしまう失踪捜査ドラマの無理

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<警視庁失踪人捜査課(テレビ朝日系金曜夜9時)>番組制作で狙ったところはよくわかる。2008年のデータによると、失踪人として届けられた人数は8万4739人、実に1日に200人以上だ。友人や知人、仕事の同僚の失踪を身近な話として聞く時代になっているという時代背景がある。人気作家・堂場瞬一の原作もあった。失踪事件には殺人や強盗、放火といった強行犯罪にはない、失踪せざると得なかった弱さ、人間関係、経済困窮といった複雑な事情が隠されている。よし、ヒューマン」・サスペンスといういままでにない刑事ドラマを作ろう!と考えたのだ。関東ではテレビ朝日で放送されているが、制作は大阪のABCである。

ケータイとメールが決め手という地味さ

   主演の沢村一樹が演じる捜査刑事・高城賢吾はちょっとアウトローっぽく、ラフな感じがだが、殺人事件のように、犯人を追い詰めていく捜査ではないのでこれでいい。パートナーの明神愛美役の森カンナは2300人のオーディションを突破して抜擢されたというのが話題の一つだ。

   私が見た回は速水もこみち演じるミュージシャンが、ユニットを組んでいた相棒がメジャーとしてスカウトされ、それがきっかけで引きこもりになったが、突然、家からいなくなり失踪事件として捜査が始まるという設定だった。

   残念なことに、何のスリルもなかった。捜査は刑事が何度も現場に足を運んでやるものだと考える私なんかにしてみると、「携帯電話とメール」を解析したり調査したりして、それが事件解決の決め手でしたと言われても、少しも「お見事!」という気にはなれない。

   そもそも、失踪するほどの話かよ、当人同士で解決できるようなたわいない話じゃないかと思ってしまった。それをただ探しました、発見しましたではサスペンスとは言えない。小説ならともかく、テレビドラマで失踪人捜査というテーマはなじまない。失踪人が殺されてしまえば失踪事件ではなく殺人事件のドラマになってしまうし、発見されるまで失踪人のシーンを多くは流せないから、全体に印象の薄くならざるを得ない。この回も途中でネタバレになってしまっていた。

   そこそこテンポ感はあり、めちゃくちゃダメではないが、地味すぎて数字はとれないだろう。一生懸命作っているけど、ご苦労様っていうところですね。

         仕事地味 ドラマも地味だが テンポあり

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