出遅れの「スマートフォン」 追いつけるか日本企業
日本の携帯電話市場に異変が起こり始めている。将来あらゆる携帯端末の基盤になる機能を秘めているといわれるスマートフォン。アメリカからやってきたこのスマートフォンが市場を席巻する勢いで伸びているのだ。電話やメールなど通信機能に軸足を置き、ワンセグなどの高機能を世界に先駆けて搭載してきた日本の携帯電話会社やメーカーも、この勢いを無視できなくなり、今春から追いつき追い越せと走り出している。
番組は、さらなる進化へ向けて走り出した日本企業、ライフスタイルを変えるといわれているユーザーたちのスマートフォンを巡る動きを追った。
いまや就活の必需品
スマートフォンの最大の特徴は、インターネットの膨大な情報から、いつでもどこにいても好きなものを取り出せるほか、ゲームを楽しんだり、楽器を奏でたりできる15万種類以上もある「アプリ」と呼ばれるソフトが大きな魅力になっている。
慶応大学大学院の古川享教授がスマートフォンの面白い使い方を見せてくれた。4つのボタンを押しながら息を吹きかけるとオカリナの音を出すことができる。それだけでなく、同時にこの楽器を世界のどこかで、だれかが楽しんでいれば、呼び出して会話もできるという。電話機能付き「携帯情報玉手箱」といったところか。
遊びだけではない。必需品になっているのが、いまや情報収集が勝負という学生の就活。ある女子大生は、就職説明会に参加の申し込みをしようとしても、従来の携帯電話では、企業のホームページが途中までしか表示されないことがしばしばあるので、自宅のパソコンで申し込みをしようとしたらすでに満席だったという。スマートフォンは「1台あれば何でもでき、なくてはならないもの」という。