必要な核は最後まで維持 矛盾する「オバマの核廃絶」本気度

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   オバマ政権の核廃絶にかける熱意は並々ならぬものがある。09年4月のプラハ演説に始まり、ことし(2010年)4月にはロシアと新核軍縮条約を締結、47か国を集めて核セキュリティ・サミットを開き、核物質の安全管理の強化で合意に導くなど、矢継ぎ早に手を打ってきた。そして現在はNPT(核拡散防止条約)再検討会議に臨んでいる。

「持たざる国」の反発という厚い壁

   アメリカがここまで「核なき世界」に熱心なのは、核を使ったテロという新しい脅威に対する危機意識が背景にある、と番組は伝える。長年、国防に関する機密情報に接してきたとされるサム・ナン元上院軍事委員長は、2001年の9・11テロが起こるまで、「アメリカの核兵器が敵国の核攻撃を思いとどまらせる」という論者だった。その人物がいまや「核テロを食い止めるには、世界が核拡散防止で一致するしかない。そのためには強力なスローガンが不可欠だ。だから核廃絶を目標にする」と言う。オバマ大統領の目指すところと同じだろう。

   しかし、この主張にイランなど「持たざる国」は反発する。

「核テロの脅威は詭弁だ。核の平和利用を妨げようとしている」(アフマディネジャド・イラン大統領)

番組によると、核兵器は9カ国が、原発は38の国と地域が保有し、核拡散の傾向が顕著だという。「核なき世界」への挑戦は厳しいようだ。

核抑止力に依存しない仕組み

   国谷裕子キャスターの「アメリカの姿勢は、国際社会からどこまで本気だと見られているか」という問いに、スタジオゲストの鈴木達治郎(内閣府原子力委員会委員長代理)は、「アメリカは、安全保障上、必要な核は最後まで維持すると言っている。持たざる国からは、核兵器を持っている国の論理と見られている」と答える。28日まで行われるNPT再検討会議には189カ国が参加している。アメリカにとって、核の拡散防止をどこまで徹底できるかが焦点だという。アメリカ代表は「むずかしい会議だ。参加国にはさまざまな意見の食い違いがあるが、合意できる共通項を見出すため頑張る」と語る。

   番組の最後に国谷が「アメリカは何を問われているか」と尋ねると、鈴木は「不平等性をなくしていかなければならない。核軍縮にもっと積極的に取り組むこと。一方、非核保有国は、自分たちの安全保障にとって、核兵器の価値がない方向にもっていかねばならない。同盟国が核の傘に入っている状態がつづく限り、核廃絶は実現しない。核抑止力に依存しないしくみをつくっていく必要がある」と述べた。

   さらに、国谷が「日本の安全保障のあり方が問われている?」と返すと、鈴木は頷いて「平和利用の拡大と同時に考えねばならない」と結んだ。

   「核廃絶」という大目標を掲げるオバマ・アメリカにとってみれば、「普天間」は重要な問題という認識はあまりないのかもしれない。そんな気がした。

アレマ

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