2024年 4月 23日 (火)

にわかに浮上した「消費税10%」選挙にプラスとの読みか?

   参院選向けの各党マニフェストがほぼ出揃った。ところが、マニフェストよりも新聞各紙がトップ記事で取り上げたのは菅首相の消費税発言だった。

   自民党がひと足早く公約に盛り込んだ10%の消費税率を、ちゃっかり拝借した菅発言を笠井信輔アナが「得もり」コーナーで取り上げた。

世論調査では「賛成」66%

   菅首相の発言のポイントは、「当面の税率は自民党が提案している10%を参考にする」「逆進性対策を含む、消費税の改革案は今年度内に取りまとめたい」というもの。

読売新聞によると

   選挙前に増税の話はご法度という不文律がチャラになり、「一気に噴き出した」(笠井)感じだが、自民党はさっそく反応した。

   石破政調会長は「積算根拠を示して10という数字を出している。同じ土俵には立てませんよ」と、にべもなく切り捨てた。

   消費税増税反対を主張している社民党の福島党首となると、もっと手厳しい。

   「自民党と民主党が『消費税値上げ隊』。そんな冗談じゃないですよ」。

   自らの積算根拠を明かすことなく、増税分の使い道すら決まっていないなかで、なぜ敵対する自民党の数字を拝借してまで菅首相は発言したのか。

   笠井が示したのは、読売新聞が直前に行った世論調査結果。「消費税引き上げ必要か」の問いに、「必要」と答えた人が66%もいて、これ幸いと自民、民主の両方がこれに便乗したのだろうというわけだ。

橋本政権の二の舞

   政治アナリストの伊藤惇夫は菅首相の狙いについて、「リーダーシップをアピールしたいというのと、参院選の争点をぼかすのが狙いでは」と分析する。

   ノンフィクション作家の岩上安身は「これは非常に問題が多い」と次のような指摘をした。

   「菅首相のいう『強い経済、強い社会保障、強い財政』は素晴らしいと思う。しかし、これには順番がある。強い経済を作りあげてから『増税』でないと。

   やっと経済が上向きかけたところで増税やったら、かつての橋本政権がやったことの二の舞ですよ。この時の教訓から学ばねばならないのに、自民、民主両方がそんなことを言っているのではどうしようもない」

   番組では触れなかったが、菅の言う「消費税一律10%増税の逆進性対策」として、民主党はかねてから低所得者層への現金バラマキを検討しているという。

   税率を10%台に乗せるなら、欧州が導入している生活必需品に対する軽減税率を検討すべきだ。子ども手当と同じ発想で、選挙に効果的とでも勘違いしているのか、手続きが煩雑と嫌がる財務省の言いなりなのか。国民も上っ面だけ見て増税の判断をしない方がいい。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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