その手できたか!「鬼平」でW杯に一矢報いたフジの沽券

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「鬼平犯科帳スペシャル・高萩の捨五郎」(フジテレビ)2010年6月18日21時~と、1995年映画版「鬼平犯科帳」(フジテレビ)2010年6月19日21時~

   ははあ、フジテレビは考えたな。18日はNHKで、19日はテレビ朝日で、いずれも大人気のW杯サッカー大会中継があるので視聴率では最初からバンザイ。かといって、いじけた負け犬みたいに2流のバラエティでお茶を濁すのも沽券にかかわる。ならば、品質では誰にも負けない優良ソフトの「鬼平」で勝負しようじゃないか。サッカーなんか、脳味噌カラッポで体育会系のタダの球蹴りだと白い目で見ている老人たちを取り込め。彼らが愛しているのは相撲か時代劇じゃ。そうだ「鬼平」じゃ。と思ったかどうかは知らない。
   鬼平作品の優れている点を羅列する。火付盗賊改方・鬼平こと長谷川平蔵役に中村吉右衛門を得たこと。これは原作者・池波正太郎のたっての望みであったから、彼の中での平蔵のイメージ通りだったのだろう。単なる勧善懲悪ではない人間の機微が書き込まれていること。水面に浮かんだ渡し舟のショットなど、ため息が出るほど美しい映像が見事であること。闇の大悪人に華麗な大スター(津川雅彦、藤田まこと、岩下志麻ら)をいつも配すること。
   筆者がこれらより更に上に位置させるのは、エンディング曲の素晴らしさである。ジプシー・キングスの「インスピレイション」は、時代劇に一見ミスマッチなラテン曲を配して、これが圧倒的な効果を生む。プロデューサーの慧眼だ。65歳も越えた吉右衛門が、いつまで火付け盗賊改め役人のボスを演じて不自然でないか心許ないが、今の役者はみんな実年齢より若いから、当分楽しめそうだ。

(黄蘭)

採点:1.5
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