2024年 3月 29日 (金)

民主苦戦でまた首相交代 いまや「総理の首狩り人」だけでいいか

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   鳩山由紀夫氏が突然辞任し、菅直人氏が総理大臣に就任して間もないのに、彼への憎悪とも思えるような批判記事が溢れているのを見て、週刊誌の役割とは何だろうかと考えている。

   「『霞ヶ関の愛犬』独裁者・菅直人」(週刊現代)、「菅直人総理、嘘をつくな!『消費税10%』で日本は崩壊する」(週刊ポスト)、「ふざけるな菅直人 増税前にやるべきことをやれ」(週刊朝日)、「『菅直人総理』が目指す『小沢一郎前幹事長』以上の強権」(週刊新潮)。

   たしかに、会期延長しなかったために予算委員会も開かれず、ぶらさがりの会見を2回から1回にして、記者の質問に真摯に答えず、党内議論も経ずに消費税10%をぶちあげ、いまだに各党党首討論をやらないなど、市民派を自称する総理にしては、首を傾げたくなることが多いのは事実である。

   「サンデー毎日」と「週刊文春」の参議院選挙予測では、ともに民主党は53議席(自民党43議席・毎日)、52議席(自民党40議席・文春)と、過半数割れが決定的だとしている。

水に溺れた子犬ぶっ叩き

   ここへきて、小沢前幹事長と枝野幸男幹事長のつばぜり合いも激しくなってきている。現代で、亀井静香前金融担当大臣が田原総一朗氏を相手にこう語っている。

「いまの国民がハッピーな生活をしているのなら、税の話もいいでしょう。しかし、売上げが少ない、仕事がない、この状況をどうにかしてくれというときに、財務省主計局にまんまと乗せられて増税の議論をやろうなんて。しかも、10%という税率は自民党のパクリでしょ。国民は『なに言ってるんだ!』と思いますよ」

   さらに、消費税を上げるのなら、解散して国民の信を問うべきだが、彼にはそんな度胸はないと一刀両断。

   ポストは鈴木亘学習院大学経済学部教授に、「増税を先にやって財政再建に成功した国はない」と言わせている。それは、菅総理が消費税を社会保障費に充てるというが、年金、医療、介護などの制度をどう改革するのかの案さえ示していないのだから、増税すれば役所や既得権益を持つ業界が財源に群がり、結局、これまでと同じように、社会保障費に金は回らないというのだ。

   そのうえ、菅総理の親分格である市川房枝元参議院議員が生前、「あの男(菅直人=筆者注)だけは信用してはいけない」と言ったという「人格疑惑」証言まで飛び出してきている。

   菅氏は東工大時代、ノンセクト・ラジカルのグループに所属していて、アジテーターとしてはなかなかだったようだが、佐々淳行警視庁警備課長(当時)が機動隊を連れて学内に入ったときのことを、こう語っている。

「彼はわれわれの間で、『4列目の男』と呼ばれていた。アジ演説が巧く、聴衆を集めるが、検挙を覚悟の上でゲバ棒で逆らってくるようなデモ隊の3列目までは決して加わらなかった。巧妙なリーダーでしたよ」(新潮)

   「小鳩内閣」が崩壊して、次が「空き缶内閣」。的を射ているネーミングだけに、もの悲しい。

   参議院選挙で過半数をとれなかったとき、菅総理は不用意な消費税アップ発言の責任をとらされ、9月の代表選挙でまた党の顔が代わるのだろう。

   週刊誌は「総理の首狩り人」の役割だけでいいのだろうか。批判だけしていればいいのは、ときの権力が巨大で獰猛なときだが、いまの『ひ弱な花』民主党政権では、水に溺れた子犬を、みんなでぶっ叩いてるような気もしないではない。さりとて、民主党よ永遠なれという気にもならない。今回の参議院選ほど、国民に難しい選択を強いる選挙は希ではないか。

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