2018年 7月 22日 (日)

死刑囚・永山則夫が獄中結婚の和美と交わした「手紙」の重さ

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「ザ・ベストテレビ2010 死刑囚・永山則夫・獄中28年間の対話」(BS2)2010年6月26日14時59分~

   NHKが有意義なことをしている。自局だけでなく他局も含めて、放送界のコンクールで入賞した秀作を、BS2の時間をたっぷり使って纏めて放送する試みが今年で3回目を迎えたのだ。当該作品は教育テレビのETV特集で放送され、このほどギャラクシー賞テレビ部門の大賞を受賞した佳作ドキュメントである。
   19歳で4人を拳銃で射殺し、獄中で48歳まで生き、1度2審で無期懲役に減刑されたが、結局、最高裁で死刑が確定し、刑場の露と消えた永山則夫が、獄中結婚した和美とやり取りした厖大な手紙を中心に、和美の証言を含めて、人の命とは何ぞやと問いかけた真摯な内容である。筆者の記憶では、和美はこれまであまりメディアに登場しなかった。今回の証言はこれ1つをとっても画期的である。
   和美自身がフィリピン系の差別された生い立ちで、アメリカにいた時に永山の著書を読んで共感し、彼に手紙を書いて交際を始め、結婚した。アメリカへ渡る前、沖縄の福祉センターに彼女が職を求めて行った時に、はっきりと言われたのは、白人は10ドル、黒人は5ドル、フィリピン人は3ドルと労働対価の相場が区別されていたのだそうだ。永山が、後に気づくように、極貧の生い立ちである永山が、共に戦うべき労働者階級の被害者たちを射殺したという悔恨があったが故に、同じ階級の和美に共感し結婚したのか。世情騒然たる時代の残滓と切り捨てるには余りに重い手紙の数々である。

(黄蘭)

採点:2.5
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