ようやく優勝…スペインGK「勝者の涙」のいじらしさと開放感

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「2010・FIFA・ワールドカップ決勝 オランダ×スペイン」(NHK教育)2010年7月12日3時~

   一体、ワールドカップ決勝生中継のどこが教育なんだ(教育テレビ放送)、とイチャモンをつけるのは、まあ、置いておく。これは参議院選挙開票日と重なったための措置であるが、教育テレビの、深夜早朝の番組が高視聴率(!)を取るのは恐らく前代未聞だろう。筆者もご多分にもれず見たのであった。眠い、ねむい。
   タコの予言のためではなく、スペインが勝てばいいと思っていたので、結果には満足だが、試合そのものよりもテレビに映る人間の表情の様々が真に面白かったのである。決勝戦の延長後半でようやくスペインがゴールを成功させた暫く後、突然、背番号1番のゴールキーパー・カシージャスが、典型的なラテン系の濃い顔で泣き始めた。やっと長い長い間の無念から開放されて勝てると思った瞬間に涙がこみ上げてきたのだろう。彼も若くいじらしい青年なのだ。
   この時、筆者は20年以上も前のある瞬間を思い出した。ドラフト会議で恋焦がれた巨人にふられ、泣く泣く前年西武ライオンズ(当時)に入団した清原和博が、日本シリーズの真っ最中に、1塁ベースを守りながら突然泣きだした。相手は恋しい讀賣巨人軍。いとしさ余って憎さ百倍の巨人に勝った、自分の代わりに桑田真澄を指名した巨人に、これでやっと復讐ができたとの万感の思いから、勝利が決定的になったところで涙が溢れてきたのである。清原も純情な少年だった。敗者の涙以上に勝者の涙には心を動かされる。

   (採点は優勝ご祝儀を含む)

(黄蘭)

採点:1.5
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