2024年 4月 26日 (金)

リアクションできない山田優コミカルまだ無理

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<崖っぷちのエリー(朝日放送・テレビ朝日系金曜夜9時)>原作は西原理恵子さんの自伝エッセイ「この世でいちばん大事な『カネ』の話」で、番組のサブタイトルにもなっている。面白い本だったのでドラマも期待したのだけれど、見事に裏切られましたね。テレビドラマとしてのいじりがなく、原作そのままのキャラクターをやたら大げさに演じると大失敗するというのの典型ですよ。がっかりしちゃいました。

がんばるほどカラ回り

   なによりも、山田優に無理がある。ドタバタは大好きですが、ドタバタになっていなくて、ただバタバタしているだけ。一生懸命にコミカルな味を出そうとしているのですが、そうすればするほど浮いてしまう。リアクションがもうひとつ…、いや、もうふたつぐらい分かっていませんね。

   コミカルな芝居は実は非常に難しいんですよ。相手との呼吸がちょっとでもズレると、見ている方が恥ずかしくなるようなドッチラケですからね。さすがに、母親役の渡辺えりとからむシーンは、渡辺がリードしていくからなんとか安心して見てられますが、小泉孝太郎との掛け合いはとてもじゃないが…。なんじゃこれ!? てな感じです。現役モデルで、連続ドラマ初主演の山田優にこの役は荷が重すぎます。

   だいたい、貧乏でいじめられながら、漫画家として次第に世に出て行くというストーリーなのに、山田優は少しも貧乏くさくない。おカネに執着して何が悪いかという開き直りも、彼女には切実感がない。要するに、向いていないんです。大阪の朝日放送がメイン制作なのだから、大阪らしくもっとおカネの話をドロドロとやったらどうかと思いますけどね。

   そりゃあ、目下活躍中の漫画家が主人公で、出会う男も、登場する週刊誌も「ああ、あれか」とすぐ見当が付いてしまうのですから、やりにくいのは分かります。だからこそ、原作を大胆に換骨奪胎して、原作を上回るような存在感のある主演女優を持ってこなければいけなかったはず。脇を固める役者も、渡辺えりを除けば(父親役の陣内孝則はすぐ死んでしまう)、印象が弱すぎてコミカルなのにキャラが立っていない。どうしてこんなつまらないドラマにしちゃったの!?

      ひとひねり しないとつまらぬ ゼニ話

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