【感涙戦評】興南エース島袋の大荒れの投球に鳴門打線戸惑う

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8/10 第4試合▽1回戦▽鳴門 0-9 興南
鳴|000 000 000|0
興|030 004 20X|9

    選抜大会優勝という勲章を背負った興南は、春夏連覇に向けて重圧のかかった初戦だったと思う。そのカギを握るのがエース島袋である。試合は9対0の一方的な終わりを告げたが、島袋のピッチングに限って見れば、危うい場面の連続だった。

    最初のピンチは2回表。振り逃げと四球で1死一、二塁。アウトを1つ取った後、二塁へライナーを打たれたが、野手が好捕して助かった。3回は1死一、三塁。ここも真田の当たり損ねのゴロに対して遊撃手が素早いダッシュと的確な送球で併殺を完成させ、得点を阻止した。5回は2死満塁、6、7回にも得点圏に走者を背負った。

春優勝の自信 攻撃陣が乱調のエースを助ける

    島袋が無失点で7回を投げ終えたのは、好守に支えられたこともあったが、大荒れだった投球内容に鳴門の打線が戸惑ったからだった。ボール3が8度を数えた。自慢の速球は高めに外れるかと思えば低めにいく。再三の暴投があり、捕手は大忙しだった。勝負の場面でストライクを投げたところはさすがというべきか。毎回のピンチを逃れたもう一つの理由に、すべて先頭打者をアウトに取っていたことが挙げられる。

    興南は2回、先頭銘刈の二塁打から、3連打と重なる失策に乗じて3点を先行。主導権を握ったことで不安定な島袋に余裕を与えたといえる。6回には国吉の2点本塁打などで4点を加え勝利を決定づけた。攻撃陣は春の自信がうかがえ、3安打の3番で主将の我如古はじめ上下くまなくよく打った。

    鳴門はミスが多すぎた。久しぶりの出場がそうさせたのだろう。ここにも興南との差が出ていたようである。

菅谷 齊


菅谷 齊(すがや・ひとし)プロフィール
1943年、東京生まれ。法政大学卒。法政二高硬式野球部時代に甲子園で夏春連覇(1960,61年)を経験。共同通信社ではプロ、アマ野球、大リーグを主に担当。84年のロサンゼルス五輪特派員。プロ野球記者クラブ、野球殿堂入り選考の代表幹事を務める。野球技術書など著書多数。現在、日本記者クラブ会員(会報委員会委員)。

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