【感涙戦評】エース一二三の乱調をカバーした東海大相模の打線

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8/11 第3試合▽2回戦▽東海大相模 10-5 水城
東|040 201 102|10
水|101 100 002|5

    東海大相模の代表は、だれもが驚くだろう、33年ぶりのことである。かつての優勝校。名門復活を占う初戦だった。その結果は期待と不安が混在する内容で、長いブランクを感じないわけにはいかない。10対5というスコアが、それを如実に示している。

    どうしてもエースの一二三に目がいく。今大会の注目される投手の一人で、今年春の選抜大会の上手投げから横手投げに投法を変えた点も見どころの一つだった。ピッチングを見ると、コントロールに苦しむ姿だけが浮き彫りにされた。四球6、死球2。6回で投球数100を超えるという大荒れの内容だった。それでもなんとか9回までたどりついたのは、水城のボール打ちに助けられたからである。見極めのよいチームにじっくり攻められたら相当の苦戦となってしまうだろう。

制球が定まらない一二三を攻略できなかった水城

    一二三の不安を消し去ったのが攻撃陣だった。2回表、1死から二塁打3を含む5安打を集中して4点をもぎ取り、簡単に逆転。3点差をつけて主導権を握った。さらに4回は死球を足場に長短打を浴びせて2点を追加。後半に小刻みに加点し、ようやく勝利が見えた。点差ほどベンチに余裕がなかったのはエースの乱調にあった。こと打力に限っては伝統を引き継いでいるといえた。

    水城は、制球が悪い一二三に対し肝心な場面で悪球に手を出したりして、待球してプレッシャーをかける攻めに欠けた。3点差の5回、1死三塁の好機に5番石井が内角の難しい速球に手を出して詰まった三塁ゴロ。ここで確実に得点していれば勝機が生まれたと思われる。以後もことごとくチャンスを逃した。甲子園は初出場校に対して、ときには厳しい仕打ちをする。

菅谷 齊


菅谷 齊(すがや・ひとし)プロフィール
1943年、東京生まれ。法政大学卒。法政二高硬式野球部時代に甲子園で夏春連覇(1960,61年)を経験。共同通信社ではプロ、アマ野球、大リーグを主に担当。84年のロサンゼルス五輪特派員。プロ野球記者クラブ、野球殿堂入り選考の代表幹事を務める。野球技術書など著書多数。現在、日本記者クラブ会員(会報委員会委員)。

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