潘基文さすが!を見せつけた今年のヒロシマの夏

印刷

「広島平和記念式典 平和の祈り」(NHK)2010年8月6日8時~

   何時の頃からか、「広島」とか「平和」とか言うと、時代錯誤の旧左翼に見られるようになり、口にするのも憚られる風潮が出てきた。右翼メディアが勢いづいて、旧日本軍の中国での行為まで大陸側のでっち上げだと広言する戦後生れの言論人がのさばり、その極限に達した時、突然オバマ大統領の演説が世界を駆け巡った。
   情勢は一変し、今年の平和式典は様変わりだった。カメラは長々と、ルース駐日アメリカ大使の顔を映す。人はいいが居心地の悪そうな表情である。反対に初参加は同じだが、潘基文・国連事務総長の顔は晴れ晴れとしている。この違いは2人の心理をよく表わしていた。長い間、「暖簾に腕押し」状態だった秋葉忠利・広島市長の平和宣言も、今年はまともに聞かれたのではなかろうか。
   筆者はヒロシマとは全く縁もゆかりもないが、アメリカ軍が上空から写した原爆投下直後の丸いキノコ雲の映像だけは、見る度に気分が悪くなる。吐き気がする。SF映画での地球最後の日のような、何とも言えぬ嫌ぁーな感覚が沸くのだ。生理的に受け付けない。
   潘事務総長は素敵だった。典型的な東洋人の顔の造作に、典型的な東洋人の発音でありながら、知的で場慣れている。案外策士で駆け引き上手の結果ではあろうが、彼が事務総長になったのは尊敬されているからこそ。被爆者が生きている内に核廃絶を実現したいとの演説が、嘘っぽい空手形に聞こえなかったから大したものである。

(黄蘭)

採点:1
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

お知らせ

注目情報PR
追悼
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中