【感涙戦評】1点の重圧 長崎日大、消極采配で佐賀学園に逃げ切られる

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8/14 第4試合▽2回戦▽長崎日大 2-3 佐賀学園
長|200 000 000|2
佐|120 000 000|3

    長崎、佐賀の隣県対決は1点差で決着がついたが、最後までせめぎ合う、気の抜けない一戦だった。野球は不思議と序盤、中盤、終盤の3イニングずつ流れが変わることがあり、勝運は行き来する。この接戦は、序盤が点の取り合い、中盤は長崎日大が攻め込み、終盤も劣勢の先攻チームにチャンスを与えた。

    逃げ切った佐賀学園は1回にすかさず1点を返し、2回に2点を挙げてひっくり返した。この逆転は2死一塁から9番大谷が投ゴロ悪送球で生き、ここから北村の同点打、柴崎貴の適時二塁打というものだった。追加点を取って突き放したいところだが、3回の第3アウトから8回の最終打者まで16人連続凡打。中盤以降は守勢一方で、エース峰下がしのぎにしのいだ。

    長崎日大は必死になって同点を狙う作戦を取り続けた。4回からの6イニングで送りバントで走者を得点圏に送ること5度を数えた。5回の1死一塁では3番打者にバントをさせたほどである。3番の鹿田はそれまでの2打席でいずれも三振だったことが監督にそういう策を取らせたのだろうが、まだ試合の中頃だけに消極過ぎたように思う。それだけ1点の重圧を負っていたのだろう。

土壇場のタイムでピンチをしのいだ佐賀学園

    ハイライトは9回表の攻防だった。長崎日大は下位打者の内野安打と送りバント、内野ゴロで2死三塁。島袋の一打は遊撃左の緩いゴロ。遊撃手の一塁送球は間一髪でアウトにする超美技だった。

    忘れてならないのはこの回の佐賀学園監督の指示。1死二塁で代打蒲池の初球がボールとなったところでタイムを取って投手に一息つかせた。この後、代打を一塁ゴロに仕留めて相手を追い詰めたのだが、土壇場のタイムによる間がどれほど選手の緊張感をほぐしたか。この1点勝負の醍醐味十分の試合の中でベンチワークが重要な意味を持っていたようである。

菅谷 齊


菅谷 齊(すがや・ひとし)プロフィール
1943年、東京生まれ。法政大学卒。法政二高硬式野球部時代に甲子園で夏春連覇(1960,61年)を経験。共同通信社ではプロ、アマ野球、大リーグを主に担当。84年のロサンゼルス五輪特派員。プロ野球記者クラブ、野球殿堂入り選考の代表幹事を務める。野球技術書など著書多数。現在、日本記者クラブ会員(会報委員会委員)。

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