【感涙戦評】強い興南!東海大相模を力でねじ伏せ、春夏連覇

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8/21 ▽決勝▽東海大相模 1-13 興南
東|000 000 100|1
興|000 715 00X|13

    興南は強かった。春の選抜大会で優勝したときより一段とレベルが上がっており、この夏は段違いの強さを身に着けていた。好守走どれをとっても最高のプレーを見せ、その集大成を決勝で見せつけた。一言でいえば、東海大相模に野球をさせなかった。圧勝の表現がぴったりする大会最後の試合だった。

    怒涛のごとく、とは興南の中盤の攻撃をいうのだろう。4回、先頭の真栄平が四球。次打者の送りバント失敗で走者が入れ替わった後、山川とのヒットエンドランが決まり、外野手からの送球の間に好走塁もあって二、三塁とした。続く伊礼が中前へ先制タイムリー。なお一、三塁のチャンスに、島袋はスクイズを外されて空振りとなったのだが、三塁走者を挟んだ捕手の三塁悪送球で2点目をもらった。二死後、9番大城から慶田城の三塁打を含む5連打で加点し、一挙7点。6回には我如古の左中間3点本塁打などで5点を奪った。

    中盤の3イニングで打者24人、15安打という猛打で一気に勝負を決してしまった。3回までの緊迫したムードが一変する攻撃は先取点を入れたことで硬さが取れ、本来の力で相手をつぶした。力でねじ伏せた格好だった。

島袋、決勝マウンドは「技」の投球に切り替えてスイスイ

    興南のエース島袋は準決勝までとは一味違った。東海大相模が速球を狙っているのを見抜き、カーブ、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を投げ分け、自慢のストレートは見せ球に使う頭脳的投球でかわしていった。初めて三振を取ったのは5回二死後、19人目の打者だった。力だけでなく技の投球をできることも示した。東海大相模の打者にまともなスイングをさせなかったことがそれを証明していた。打線爆発もあって悠々と9イニング投げ切った。

    東海大相模は序盤の毎回、先行するチャンス逃した。1回は安打と四球などで一死一、二塁としたが、4番の大城卓が二ゴロ併殺打。2回は投手けん制球で走者が刺され、3回にはやはり一死一、二塁から後続の2、3番が凡退した。その後に猛攻を受けたのである。

    エースの一二三は強敵とあって立ち上がりから飛ばした。1回の一死一、三塁は4、5番を力で抑えるほどだった。しかし、中盤は握力が落ちたのだろう、コントロールが定まらず、持ち球のシュート、スライダーが鈍って甘くなり、そこをつけこまれた。今年6月ごろから上手投げから横手投げにフォームを変えたばかり。準決勝まではなんとか通用したものの、興南は許してくれなかった。決勝の戦いは、甘くない、ということである。

菅谷 齊


菅谷 齊(すがや・ひとし)プロフィール
1943年、東京生まれ。法政大学卒。法政二高硬式野球部時代に甲子園で夏春連覇(1960,61年)を経験。共同通信社ではプロ、アマ野球、大リーグを主に担当。84年のロサンゼルス五輪特派員。プロ野球記者クラブ、野球殿堂入り選考の代表幹事を務める。野球技術書など著書多数。現在、日本記者クラブ会員(会報委員会委員)。

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