吉永小百合 大女優のオーラと品のいい舞台構成に納得

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「吉永小百合・平和への絆コンサート」(NHK BS 2)2010年8月16日20時~

   吉永小百合がライフワークとして原爆詩の朗読を続けているのはよく知られている。被爆65年の今年、詩の朗読だけでなく、音楽家の演奏とのコラボレーションを企画し、NHKホールで開催したコンサートのライブ映像番組である。筆者は「大女優が原爆詩の朗読」というだけで、もう全く文句のつけようがなく、「ご立派、お偉いです」と脱帽するしかないので、これまで敬して遠ざけてきた。
   初めて全編見て、立派な業績だと思った。吉永の朗読力の素晴らしさ、品のいい舞台構成が印象的である。「慟哭」という詩にはアルビノーニのアダージョが弦で演奏され、坂本龍一の「オッペンハイマーのアリア」には、バックにオッペンハイマーのインタビュー映像が流れて、「世界の破壊者となった」と語られる。坂本が老眼鏡をかけてピアノを弾いていたので、時代が過ぎたと感慨深かった。
   ソプラノの佐藤しのぶは「アベマリア」を独唱した。マリアのリの発音が、「ri」ではなくて「li」に聞こえるのが少々残念だったが、ドレスは超豪華版。よけいなことだが、ドレス代は自腹か。昔、よく吉永を京都のホテルで見かけた。先日はサントリーホールでも見かけた。地味な女学生のような恰好をして、小柄で目立たない人だ。それが、辺りを睥睨するようなオーラを出して詩を読んでいる。これぞ化けるプロの変身である。65年目の今年、世界の潮流が変わって、原爆詩の朗読に光が当たっていることは何よりも喜ばしい。

(黄蘭)

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