「骨も人」せっかくの面白さも評価半減 足引っ張った間抜けな演出

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「遺跡発掘ミステリー・人類学者・岬久美子の殺人鑑定!」(テレビ朝日)2010年9月4日21時~

   ある新聞の朝刊ラ・テ欄に「秀作ミステリー」と紹介されていたので、大いなる期待をもって見たが、謎解きのディテールには目新しさがあったが、肝心の演出に間抜けなところがあり、評価が半減した。法人類学者・岬(大塚寧々)が22年前の主婦の失踪と殺人を、残された人骨から導き出すという「骨も人」という概念が面白かったのだが、間抜けな演出とはどういうことか。
   例えば、その骨から身元が分かり遺族が突き止められる。すると、残された娘は夫の子ではないと知れ、複雑な家族の感情のやり取りシーンが出てくる。その場面を何故か人通りのある店の外でやるのだ。娘にも隠していた家族の秘密を、近所の誰が聞いているかわからない道端でやるか? 全く人間心理を無視した演出である。
   22年前に葬られた遺骨の男の方の指が細く、そこから、男(画家)がスペインで事故に遭い、右手を損傷して絵が描けなくなったという事実がわかる。その結果、この事実は謎解きの重要なカギになるのだが、いささか納得出来かねる。果たして人骨はそんなに昔の、生前の有様を語るものだろうかと疑問に思ったのだ。
   ともあれ、夥しい数の2時間ミステリーが作られている中では、事件のための事件を作る凡作が多いが、本作は、少なくとも人骨になってしまった事件の周辺で、死者に寄せる生者の弔いの心が核になっていたところに、後味の悪さがなくてよかったと思ったのだ。

(黄蘭)

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