美人FPが夜ごと鏡の前で繰り返す不気味な「妄想儀式」

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   きっと今頃、太陽と情熱の国で刺激的な毎日を送っていたんだわ。ある番組のロケハン同行取材で、海外に行く予定だった私。それが予算の関係で突然中止となった。このご時世に、作家が海外ロケに同行することはほぼゼロに等しい。話が来た時に訝しく思ったのだが、案の定だ。わかっちゃいるけど、スケジュール調整のやりとりなんかしていたから、期待しちゃったじゃない。そして中止の宣告。しばらく私は荒れた。

   なんだよ、なんだよ、白い街並みをバックパック背負って歩いて、撮影スポットを探して、んで夜はバルで飲んでホロ酔いになって、そしたら素敵なラテン男子に出会っちゃったりして~、ウホホっ、ウホホ。あれっ、いつの間にか仕事じゃなくなっているぞ。 悔しい! 妄想を楽しんでいたあの時間を返せ。夏の終わりとともに届いた悲しいお知らせは、より一層我が身を恥じ惨めな気分にしてくれた。妄想なんかもうしない。 めくるめく妄想ナイトなんか2度とするもんかと大憤慨。とそこに、一筋の光が差し込んできた。もはやこれは妄想ではなく幻覚か。

こんな自分になりたいと自分に言い聞かせるの

   「そうよ、もっと妄想するべきなのよ。妄想こそが現実化への第一歩なのだから」

   仕事でお逢いした不動産事業を手掛ける女性はそんなふうに言う。不動産投資の第一歩は、利回りよりも、物件を見たときにどれだけストーリーという妄想が描けるかがカギだと彼女は言う。都内に多くの物件を所有する彼女は、不動産投資をする際の話をしてくれた。

   「このエリアでこのマンションに住むと、どんな生活が待っているのかな。クローゼットにはどんなお洋服が入って、キッチンではどんな料理を作って、誰を呼んでホームパーティができるのかしらって想像すると楽しくない? ワクワクしてくるでしょ。それが大事なの。そう思う人が私のほかにも絶対にいるから。不動産はワクワクする投資なのよ」

   彼女はバカみたいにデカいダイアの指輪をつけて、語尾を上げてニコニコ語っている。そのダイアはその妄想から買えたんかいっと恨めしく見てしまった。

   それに、不動産投資成功の秘訣はワクワクすることって、どんなセミナーに行っても聞きたくない言葉だ。とある美人FP(ファイナンシャルプランナー)はこう言う。

   「まずはどんな自分になりたいのか、夜寝る前に鏡を見ながら自分に言い聞かせるの。どんな場所に住んで、どんな暮らしをしたいか。その部屋のインテリアは? 食器は? 週末はどう過ごしていたいか。具体的であればあるほどいいわ。それも眠る前に行うのが効果的よ」

   毎晩毎晩、鏡に向かって妄想する不気味な儀式を経たら、金持ちになれるんかいっ! それより、気になったのは彼女の妙にとんがった整形鼻。恐らく、鏡とにらめっこした産物なのだろう。

   世の成功者と呼ばれる人の多くに、成功の秘訣を「イメージトレーニング」に起因すると言う人が多い。それが全てではないだろうが、そんなにうまくいくワケがないと思う。イメージして成功するならば、世の中、大富豪ばっかりになるじゃぁないか。

   私の海外取材が破たんしたのは、妄想力が足りなかったからなのか。いやいや、単純に見積もりが甘かっただけである。成功する人の習慣を紹介する書籍は、いつの時代も書店で山積みされているが、書かれていることを片っ端からやっても成功しないから、それらしい本が続々と生まれているのではないか。では、どうやったら成功できるのか。それを妄想してみるとしてみますか。

モジョっこ

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