宇宙のナゾ解くのは日本? 注目施設と「暗黒物質」

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   ダークマター? 暗黒物質? 聞き慣れない未知の素粒子探しに、いま世界中の科学者が熱くなっている。正体がわかれば宇宙のナゾを解くカギになるというのだが???

   最初にその存在を唱えたのは、スイスの天文学者フリッツ・ツビッキー。80年前だった。

   銀河の集まり「銀河団」の動きを観測していて、他の銀河より20倍も早いスピードで動く銀河をみつけた。銀河団では、銀河は互いの引力で引きあっているが、スピードが速ければそれだけ強い引力が必要だ。だが、銀河団の引力だけでは、この銀河の動きを説明できなかった。「何かがある」と。

「超対称性粒子」とは

   その後、さまざまな観測から、その存在は確かめられた。さらに、われわれが知っている原子、分子の量は、宇宙にある物質の2割弱に過ぎず、8割以上がこの未知の物質であると。目に見えず、物体を通り抜け、光りもしない、しかしどこにでもある……宇宙は何でできているのか?という壮大なナゾ解きである。

   来月、岐阜・飛騨山中の地中1000メートルで動き出す実験施設「XMASS」は、最初の答えを出すのでは、と期待されている。プロジェクトのリーダー、鈴木洋一郎東大教授らは、「あることはわかっているが、正体がわからない。ナゾに立ち向かわないといけない」「(発見の可能性に)ワクワクしている」という。

   様々な仮説と探求があった。1993年、米と豪のチームが、「見えない暗い星」を見つけ、これではないかと探求を続けた。しかし、7年をかけて1000万個以上の星の周辺を調べたが、暗い星は13個しか見つからなかった。

   次には、素粒子ニュートリノが調べられた。焦点は質量だ。「原子の数億分の1の重さがあれば」と期待されたが、98年「軽すぎる」ことがわかった。いま理論物理学者たちは、未知の素粒子「超対称性粒子」の存在をいう。

   「自然法則が数学的に矛盾なく成り立つためには、かなりの重さをもつ素粒子が存在するはずだ」。これが、ダークマター。例えば、銀河の渦巻きの形も、見えない大量の物質がないと説明できないというのだ。

天体と素粒子の関係

   国谷裕子が、「これがないと説明できないことがある??」

   ジャーナリストの立花隆がまた、「なぜ宇宙があるのか、われわれがここにいるのかすら説明できない。どこにでもある。1リットルに1個。このスタジオに何千個とある」なんていうものだから、ますますわからない。

   「天文学と物理学が結びついている?」「天体を突き詰めていくと、素粒子と基本的には同じだとわかってきた」「わからない」。最後は2人とも笑い出した。

   いまプロジェクトは20を超えるそうだ。ミネソタの地下鉱山700メートルの米研究チーム。スイスのCERN(欧州原子核研究機構)……発想も方法も異なるのだ が、なかで、日本の「XMASS」はユニークだ。

   キセノンははじきとばされると光を出す。その光で存在を確認しようというのだ。ダークマターの動きをキセノンに置き換える試みだ。そのために、従来の100倍以上の感度のある「光電子増倍管」を開発した。高性能マイクみたいなものか?

   立花は「感度の問題。日本がいちばん進んでいる。来月始まったとたんに、発見という大ニュースになるかも。装置が光を発したらと、わくわくする」とひとり興奮気味だったが……。

   うーん、自然法則が矛盾している? これはわからん。わかったのは、無数にある星のひとつ地球上で、小さな頭脳をしぼって、宇宙のナゾに挑む人間の素晴らしさ。これは、たしかにわくわくする。

ヤンヤン

   *NHKクローズアップ現代(2010年9月13日放送「ダークマター 見えない暗黒物質を探せ」)

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