2018年 7月 21日 (土)

謎だ謎だと煽って不当表示―役所広司「三蔵法師」摘み食い

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「テレビ東京開局45周年記念番組 封印された三蔵法師の謎 シルクロード30000キロに挑んだ男」(テレビ東京)2010年9月23日19時58分~

   これを称して不当表示という。大げさに、役所広司が三蔵法師の歩いた30000キロを走破したようにタイトルをつけてあるが、全巻見たところ、ところどころの摘み食いではないかと思えなくもない。役所が砂漠を苦しげな表情で歩いている場面があっても、こちらの心に響いてこないのは何故なのか。高度4000メートル以上のべテル峠の吹雪が、本邦初の撮影には間違いなさそうであったが。
   最後の、山奥の仏教徒を訪ねるくだりや、ヒンズー教の身分制度で苦しむ極貧家族のシーンなどは、1つの挿話としては見せるけれども、格別三蔵法師の足跡と関係深いわけでもない。つまり、初めに三蔵法師ありき、で、「撮って行けば何か感動的なことが拾えるだろう」とたかをくくってスタートしたのではないかとさえ勘繰りたくなる話だった。自局の番組でレギュラー出演していた役所広司にご褒美でインド旅行をプレゼントしたのかとまで考えてしまう。
   ナビゲーターの草彅剛はスタジオにしつらえた大陸の上に立って三蔵法師の足跡を説明するのだが、性能のいいGPSを見慣れた目には、特別にわかり易い模型でもないし、ただの自己満足である。
   テレ東としては大金を遣い壮大な物語ドキュメントを作ったつもりであろうが、もう少し明確なコンセプトの下にやってもらいたかった。謎だ謎だと煽っても「大山鳴動してネズミ一匹」ではつまらない。視聴者の目は肥えてきて、映ってりゃいい時代は過ぎたのだ。

(黄蘭)

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