「ご当地B級グルメ」手を広げるか地元に留まるか

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   あらゆるメディアでさんざん話題のご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」を「クローズアップ現代」も取り上げた。番組の中身はまるでB級チェーン店が出す定食のように特筆すべき部分がなかったが、あえて挙げるならば「課題」の部分だろう。

   B-1で上位に入り、にわかに脚光を浴びた料理や町、関連の団体は喜んでるばかりではない。手を広げるか、地元に留まるかの問題はきわめて重要だ。町おこし、村おこしといったことが本筋だとすれば、たとえばB-1料理をコンビニなどと共同でタイアップ商品化しても、地元の食材や料理店、近隣の観光名所などには、直接マネーが落ちない。

   しかし、知名度が上がれば、本家本元を訪れようという人も増えるかもしれない。全国的にもうかったカネを地元に還元すれば、それだって町おこしへの貢献と言えなくもないだろう。

   第3回の優勝グルメ、厚木シロコロ・ホルモンの選択は「地元」だ。企業からの全国的お誘いは原則的に断り、厚木内でしか提供しないという。

「現地に来てもらって、おいしいモノを食べ、お店の方としゃべったり…。そういう触れ合いが次につながる。町を味わっていただきたい」(厚木の町おこし団体代表)

ブームになっているうちに「町おこし」

   「全国に展開していくのか、あくまで地元にこだわるのか。悩ましい問題ですよね」と、スタジオの森本健成キャスターが言う。

   ゲストの関満博・一橋大学大学院教授は、「地元」にこだわったほうが、第一次から第三次までのすべての産業が活性化し、地域に付加価値が残るため、長い目で見て、地域が幸せになれるとの考えだ。

「食というのは、その空気、人々と一緒に食べておいしくなる面がある」(関満博氏)

   その通りだろう。

   一方、B-1でにわかに脚光を浴びた地方は、これまでさんざん町おこしを試みて、しかも失敗してきたところが少なくないようだ。B-1ブームはいずれ去るだろう。「長い目」で見てるうちに、大魚が逃げてしまったなんてことにもなりかねない。千載一遇のチャンスのいま、一発芸で出てきたお笑い芸人のように、とにかく売れるだけ売りまくってやろうとするのも、またひとつの考え方だ。

   それだって、才能と運(あるいはそのどちらかでも?)に恵まれていれば、5年10年と厳しい世界を生き残れないとも限らないのだ。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2010年9月28日放送「うまい安い珍しい『B級グルメ』が町を救う!?」)

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