J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

朝青龍の悪態にやくみつる「餌になるだけ 枯れた草」

   きのう(2010年10月3日)両国国技館で行われた元横綱朝青龍の断髪式は、1万人が見守った。強い横綱、だけどヒール、 だけど憎めない…。みんな「惜しい」といい、本人も「あと2年やりたかった」。残念だが、歯車はひとつ回った。

   最後の土俵入りのあとの断髪では、約380人がハサミを入れた。多彩な顔ぶれは人気のほどを示したが、同郷の白鵬、朝赤龍らが声をかけると、さすがに涙を浮かべた。

   朝青龍は「30歳 から40歳の間は、朝青龍が大変なことになります」とあいさつ。最後に朝青龍は土俵にキスをして、ガッツポーズで花道を引き上げた。いかにも朝青龍らしい幕切れだった。

   明徳義塾高校への留学から1999年に初土俵、25場所という最速で横綱になり、優勝25回は歴代3位。連続7場所優勝という記録を持つ。最後の優勝は今年の初場所、優勝決定戦で白鵬を破ってのものだった。「まだやれる」と周囲も本人も思った直後の暴行事件、引退。

「どっかの漫画師が偉そうに言いやがって」

   司会の小倉智昭が「最後の土俵へのキス。あれ現役だったらまた「品位が」といわれるところですよね」

   この間をずっと取材してきたレポーターの横野レイコは、「惜しいよねの声がいっぱいだった。今後については4つの可能性がある」として、政治家、企業家、格闘技、芸能界をあげた。この夜、テレビ番組でお笑い陣総動員の会見まで行われたが、今後については明らかにしなかった。この会見で朝青龍が「天敵・やくみつる」に残した言葉を横野が紹介した。

「どっかの漫画師が偉そうに言いやがって、この野郎。人としゃべる時、メシを食う時は帽子をとれよ」

   これにやくは「食事の時とらなくてもいい帽子をちゃんと買っています。横綱の心にとめていただいたというのは光栄です」(笑い)

   小倉「30歳だからなんでもできますね。まだ土俵がつとまるのでは」

   やく「白鵬との差は広がってますね」とにべもない。

   そしてマンガで応えた。

   「実っても 餌になるだけ 枯れた草」(笑い)

   エンディングで横野レイコが書いた本が紹介された。「朝青龍との3000日戦争」(文芸春秋)。大関昇進のときからの取材だという。

   「番組で語りきれなかったものが全部出てます」

   小倉「面白かった。放送では出てこない取材のウラから、朝青龍の人間性が出てくる」

   珍しく、朝日の天声人語でも紹介されていた。きっと売れるだろう。