2024年 4月 20日 (土)

イクメン社員サポートで業績アップ、就職希望も増えた会社

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   積極的に育児を行う男性――「イクメン」を、番組は取り上げた。「『イクメン』で行こう!」という照れくさいタイトルがついている。

   「ちょっと前、育児休暇を取るのは、マイペース型や奥さんの尻に敷かれてるタイプが多かった」とスタジオゲストの渥美由喜・東レ経営研究所研究部長。自身も育児休業経験があり、イクメンの聞き取り調査を行った渥美によれば、このごろは「エース社員タイプ」が増えてきたという。仕事もでき、家庭も充実。せっかくの機会だから、子育ても楽しみたいといった前向き思考の男たちだ。

   たしかに、番組で紹介された数組のイクメンを見ても、ライフ・ワーク・バランスがうまく取れてるお手本のようで(そういう例を出しているのだろうが)、いっこうに泣きやまない赤ん坊に怒鳴り散らしたりしそうもないし、雨の日のお迎えもまるでいとわないといった感じである。今回の番組は、カミさんに見せたくない放送ランキングの上位に入るだろう。

立ちはだかる「上の世代」の固定観念

   このごろは会社側にもイクメンをサポートする動きがある。あるコンサルティング会社は、ネット上の共有スケジュール表に、子供のお迎え、運動会などの家庭生活の予定を書き込んで、ビジネスの打ち合わせなどを「Block」できるようにした。

   それじゃあ、ブロックだらけで仕事にならないのでは――と心配してしまうが、「(仕事と私生活の)バランスが取れたほうがみんなハッピーだし、じつは仕事も成果が高い」(同社のイクメン)。この会社では業績を上げる社員が増え、就職希望者も増えてるそうだ。

   なんだか夢のような話だが、現実は「イクメンはまだ抑圧されている存在」(渥美)。ある調査によれば、仕事だけじゃなく、家事・育児も重視したり、優先したい男性は68.9%いるのに対し、65.2%が仕事優先、仕事に専念になってしまっている。男性の育児休業取得率は1.7%に過ぎないそうだ。

   長時間労働は美徳、子育てしながらいい仕事なんかできるわけがない――といった固定観念を持つ「上の世代」が壁として立ちはだかる。渥美の知る例では、社内のエース的存在で、上司のおぼえめもでたかったのに、イクメンと知れた途端、「裏切り者」扱いされて、干された男がいるという。

   日本では、イクメンはまだまだマイノリティ。さしあたり、会社でイクメン宣言しても、不当に差別されない法律でもつくったほうがよいのかもしれない。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2010年10月5日放送「『イクメン』で行こう!~男の育児が社会を変える~」)

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