大滝秀治『秀演』!よくぞドラマに…囚人たちの中学校

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「塀の中の中学校」(TBS)2010年10月11日21時~

   松本少年刑務所には全国でただ1つの刑務所内公立中学校がある。かつてドキュメンタリーで取材されたものをドラマ化した、限りなく実話に近い話で、5人の囚人(20代から70代)たちの1年間に亘る中学生活の星霜が描かれる。ほとんど文盲に近い者もいる。
   殺人から詐欺まで、道を外した罪人たちだが、彼らが基礎教育を受けるにつれて、如何に人間として真っ当な方向に目覚めてゆくか驚くほどの変化だ。教育の大切さが心に染みる。普段、当たり前のように義務教育を享受している日本人だが、それさえ満足には受けられなかった人たちもいるわけで、よくぞドラマにしたと褒めたい。
   とび職だった川田(渡辺謙)は大学院卒の息子から差し入れられた「よだかの星」を面会室で読んで聞かせられるまでになる。殺人で15年の懲役刑。76歳の佐々木(大滝秀治)は13歳から家族のために働き詰めで認知症の妻を殺して7年の刑。大滝、秀演である。
   背中一杯刺青の植木職人兼テキヤの小山田(千原せいじ)は放火殺人で12年の刑。彼はこの中学を中途退学するが、元の刑務所に護送される際に教官の石川(オダギリジョー)にちゃんと「有難うございました」と挨拶ができた。ストレスで自殺騒ぎを起こした時に、助けようとした石川の真心が通じたのである。
   眠そうな目のオダギリだが、写真家の夢が挫折した自分と、元々夢など追えなかった負の境遇の彼らとの共通項をうまく感じさせた。

(黄蘭)

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