柴田恭兵「刑事定年」長回しで「ゆっくり流れる時間」演出

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   きのう10月27日(2010年)からBS朝日で、BS放送としては初めての本格連続ドラマ「刑事定年」(夜10時~)が始まった。開局10周年の記念番組で、これまでも刑事がはまり役のひとつだった柴田恭兵を主演に、定年退職した名刑事と妻(浅田美代子)の「定年後夫婦のホームドラマ」に、ときどき事件もからむといった大人向けのストーリーだ。

   初回は「毎日家にいるようになった亭主」、それまで「亭主のいない毎日だった妻」のすれ違いがユーモラスに描かれ、そんな元刑事の家にかつて警察を手こずらせた虚言癖の女が尋ねてきて、元暴力団組長や元同僚刑事が妙な情報を持ち込んで…と、なかなか洒落た展開。鈴木雅之の主題歌もやかましくなくて心地いい。まずは、順調な滑り出しといったところだが、このドラマの注目点はもうひとつあるのだ。「長回し」である。

   最近のドラマはカットごとに撮影してつなげていくのが主流で、見ていてせわしないが、このドラマは1シーンが10分も続いたりする。かつては、小津安二郎の映画やドラマがナマ放送だったりしたこともあって、長回しは当たり前だった。しかし、それだけ出演者もスタッフも緊張する(なにしろ、シーンの後半でトチったら10分間の撮り直しだ)。柴田も撮影中は「まるで舞台のような感覚」といっていたという。たとえば、茶の間でのやり取りが15分近く続き、それを数台のカメラで撮っている。

   長回しのメリットは、見ている側が話を追いかけるのではなく、いつの間にか自分もドラマの中に入り入り込んで、一緒に茶の間に座っているような感覚になることだろう。とりわけ、このドラマでは長回しが「定年後のゆっくり流れる時間」を演出する。そろそろこうしたオーソドックスなドラマが増えてもいいころだったが、「定年刑事」がその先鞭を付けるだろうか。(テレビウォッチ編集部)

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