「ビデオ流出保安官」逮捕できないこれだけの理由

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   尖閣ビデオ映像を流出させた神戸海上保安部の保安官(43)の聴取は、きょう(2010年11月12日) で3日目に入ったが、まだ逮捕されていない。映像の入手方法がはっきりしないのと、ビデオが秘密にあたるかどうかが微妙だからだという。

嫌疑不十分で起訴猶予か

   捜査当局が海上保安官の逮捕に踏み切れない理由は2つある。保安官は映像は巡視艇の共用パソコンからUSBメモリに落としてネットカフェに持ち込んだと話しているが、海上保安庁のネットワークと船艇とは常時接続になっておらず、そう簡単ではない。保安官の話があいまいで詰め切れていないのだ。

逮捕は微妙

   もうひとつは、ビデオ画像が一時期、簡単に閲覧が可能だったことがある。事件発生の9月7日から中国人船長が釈放された同25日までは、ビデオは捜査資料で非公開・秘密扱いだったが、その後は10月18日に馬淵国交相が「取り扱い注意」の指示を出すまでの約3週間、海保内では情報共有状態にあったというのだ。

   また、海保ではこうした事件の資料は一種の教材として管区を越えて流されることが普通。この保安官は韓国語ができて中国語も研修中で、事件発生時には沖縄の第11管区で研修していたこともあって、ここで見せられた可能性もある。流出した44分のビデオは石垣海保が研修用に作ったもので、USBとかCD-Rなどにもコピーされていた。教材ならば秘密とはいえない。保安官も「誰でも見ることができた。犯罪とは思わない」と言っているという。

   弁護士の落合洋司は「アクセスが容易だったかどうかで秘密性が違う。ネットにアップロードする行為も内容次第で判断が微妙になる」という。

   司会の小倉智昭「逮捕は微妙なんじゃないか。政府にはメンツがあっても、警察にはメンツない。3週間も見られたものでは国家機密といえるかどうか」

   ノンフィクションライターの岩上安身「入手経路に協力者がいるかもしれない。一部のテレビ局と接触しているので、 外に協力者がいたかもしれない」

   保安官は上司に名乗り出る前に、大阪の読売テレビの記者と接触していた。このあたりが「流出意図」とも関係しているのかもしれない。落合は「彼の行為には賛否あるだろうが、犯罪かどうかは微妙。安易に逮捕できない。嫌疑不十分で起訴猶予ということもありうる」

   きょうも任意の聴取が続く。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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