海上保安官逮捕見送りー「決定打」つかめなかった検察・警察

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   「尖閣ビデオ」をユーチューブに投稿した海上保安官の国家公務員秘守義務違反容疑での逮捕が見送られ留ことになった。理由は2つで、保安官は自ら名乗り出て事情聴取に応じており、逃亡や自殺の恐れが少ないこと、また保安官の自宅の捜索や海上保安庁側からも必要な証拠品の提出を受け、裏付け捜査が進んだことから証拠隠滅の可能性が低いことなどだ。

在宅ならずっと調べられる

   今後は任意で事情聴取を続けるが、コメンテーターの大澤孝男弁護士(元検事)は、「いずれにしろ結論が出るまでには時間がかかるでしょう。もし逮捕ということになれば、長くても3週間以内に起訴か不起訴かの結論を出さなければならない。そこまでの自信が警察にも検察にもなかったんだと思います。検察は迷っていたんでしょう。保安官を軟禁状態に近いような状況で庁舎内に留め置いて事情聴取を続けたが、それでも確信が持てなかったということ。それで逮捕見送りになったと思います」

結論まで時間かかる

   これに重ねる形で、保安官の人物像について鳥越俊太郎(ジャーナリスト)はこう推測する。

「ある種の愉快犯に近い性格ではないかと思います。また、法律にも詳しく、もし裁判になったら、自分の弁護は自分でするからと弁護士を解任したほどです。そういう人物を相手に、検察・警察はどこまで追い込めたのかという疑問が残ります」

   この後も捜査に関する疑問がいくつか出されたが、最後に鳥越が今回の事件でIT社会の落とし穴も見えたとして、こうまとめた。

「ユーチューブはノーチェックで投稿されてきた動画をアップロードしています。もしそれが偽造や加工されたもので、それによって個人のプライバシーが侵害されたら誰が責任を取るのでしょう」

   「尖閣ビデオ」事件はITの危うさも同時に映し出している。

文   赤坂和郎 | 似顔絵 池田マコト
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