サスペンスをだめにする「犯人」 配役にみる作り手の単細胞

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「金曜プレステージ 内田康夫ミステリー 湯布院殺人事件」(フジテレビ) 2010年11月19日21時~

   船越英一郎と並んで、今や2時間サスペンス帝王の1人、渡瀬恒彦が犯罪心理学者・和泉直人に扮するというので見てみたら、頭がこんぐらかってしまった。何故なら、ちょっとお茶目な奥さんの役が名取裕子である。渡瀬も名取も京都を舞台にしたミステリーの連ドラで主役をやっていた人たち、これって視聴者を惑わせて、ドラマに没入出来なくさせるし、1種のルール違反ではないか。
   しかも、舞台は湯布院の旧家に起こる連続殺人事件で、暗い日本家屋の舞台設定といい、人物たちのおどろおどろしさといい、まるで横溝正史ワールドのパクリ風。主役2人はともかく、脇役はあまり有名でない俳優ばかりで、1人、住込みの下男に扮するのが中山仁、開始直後に「ははあ、その他大勢の中で有名俳優の中山が出ているということは、コイツが犯人に違いないな」と直感して興醒めだったのである。案の定、中山の宇田川信之が犯人。
   いつも言っているだろう! サスペンス劇で犯人が分かってしまうくらいつまらないことはないのだ。脇役で露出が多く、しかも結構いい男だったりする1.5流俳優に、犯人役をさせるのは愚の骨頂なのである。作り手の単細胞ぶりに呆れる。原作本ではイメージだけなのでわからなくても、映像にした場合、見る者の推理力とも闘わねばならないから、見え見えの配役は1番避けるべきことである。湯布院の宣伝としても、こんなドラマでは余り効果はない。

(黄蘭)

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