中途半端な「クリムゾン・リバー」…意味不明の復讐ドラマ

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「ギルティ 悪魔と契約した女 第1回から第9回」(フジテレビ 関西テレビ制作)2010年12月7日22時~

   関テレは時々こういうものを作る。こういうものとは何かと言えば、意欲もあり、他と違うものを出したいという制作者の心根もわかるドラマであるが、さっぱり「何のこっちゃ、何を描きたいのか」と聞きたいような意味不明の失敗作のことである。
   少女時代に家族を毒殺したとして獄舎に繋がれた野上芽衣子(菅野美穂)が、出獄後、ペットサロンのトリマーをやりながら、冤罪に加担した弁護士や銀行員やさまざまな人間に復讐してゆく話だ。例えば弁護士は電話ボックスの中で殺される。駅のホームで妻を突き落すと脅迫されて服毒自殺をさせられる男もいる。
   筆者はこのドラマを見ながら引っかかった。どこかで似たような雰囲気を見たぞ。タイトルバックの十字架も1つの要素であったが、それはジャン・レノが主演したフランス映画の「クリムゾン・リバー」である。古い修道院学舎のエリート学校で、猟奇的な連続殺人が起こる。いろいろあって、犯人は恨みを持った双子女性の片割れだったという筋書である。勿論、全くパクリではないのだが、おどろおどろしい復讐物語として雰囲気が似ている。ヒントにしたのか。
   失敗作というわけは、主演の刑事・真島拓朗(玉木宏)の描き方だ。ハードボイルドを気取った一匹狼なのだが、彼が考えていることが伝わってこない。筋を追うことに一杯いっぱいの脚本で芽依子の犯罪への同情的共感も持てない。もっと人間を凝視しなければ。

(黄蘭)

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