2024年 4月 26日 (金)

いるいる、こんな人たち…二宮和也、香里奈『フツー』が魅力

<フリーター、家を買う。(フジテレビ系火曜夜9時)>どこにでもいそうなフツーの若者をやらせたら、二宮和也は本当にうまい。イケメンとはいえないが、不細工でもなく、肩幅の狭い体はどちらかといえば貧相(二宮くん、ごめんね)。だけどというべきか、だからというべきか、存在自体がとっても自然で、何をやっても、地でやってるんじゃないかと思えてしまう。もちろん、二宮くんの感性の良さゆえなんだけど。

   このドラマの主人公・誠治も、「いるいる、こんなヤツ」という若者だ。大学を卒業してせっかく就職した会社は「合わない」と3か月でやめてしまう。なんかもっと自分に合う仕事があるんじゃないか。だけど「これをやりたい」というものはない。

   ハローワークに行くが、希望に合う会社などない。担当の職員(アンジャッシュの児嶋一哉)に「ありませんよ。前の会社、なんでやめたの?」と冷笑される。この児嶋の憎たらしいこと。まさか、これもハローワークの窓口に「いるいる、こんなヤツ」じゃないだろうね。

   就活のかたわら、やむなく土木作業員のアルバイトをするうち、現場で真剣に働く同僚や親方の姿に、だんだん「仲間と一緒に働く喜び」を感じるようになっていく。作業衣にヘルメット姿の建設会社社員・真奈美役の香里奈もいい。大柄でゴージャス系の香里奈と、童顔で地味系の二宮との取り合わせは、あまりロマンチックな恋愛にはそぐわないけど、意外に「いるいる、こんなカップル」ってなるかも。

仕事一途で居場所なくなった父も「いる!」

   デキ婚で病院長夫人におさまったしっかり者の姉・亜矢子(井川遥)は、何かと姑にいじめられている。開業医と結婚した知人が「子どものできが悪くて医者を継げそうもないのは、お前の頭が悪いせいだ」と姑に言われて泣いていたのを思い出した。玉の輿狙いで医者相手の合コンに精を出している若い女がどれだけいるのか知らないが、結婚にこぎつけた後のこういう落とし穴があることも注意した方がよさそうだ。

   意地悪な隣家の主婦(坂口良子)、そのいじめに耐えているうち、うつ病になってしまう誠治の母(浅野温子)、仕事一途でやってきて居場所がなくなってしまった父(竹中直人)。このドラマが高視聴率をキープしている理由は、多分、こういう「いるいる、こんな人」がおおぜい登場するところにあるのだろう。

カモノ・ハシ

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