「世界情報大戦」知らない日本人―ウィキリークスより海老蔵の愚民政策

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   海老蔵報道は、ボコボコにしたとされるリオン容疑者が逮捕されたことで、海老蔵が記者会見で話したきれい事が真実か否かに移ったようだ。

   週刊誌の報道はおおね海老蔵に厳しいようだが、これも身から出たサビなのだろう。「週刊文春」のグラビア、海老蔵とリオンを並べて「リエンとリオンの違いを教えてください」が笑える。

   例えば、「襲名するのがリエンで襲撃するのがリオン」「見得を切るのがリエンでメンチを切るのがリオン」「新婚ホヤホヤがリエンで深夜にボコボコがリオン」といったぐあいだ。もはや飽きられてきた類似報道の中では出色である。

   菅直人首相が財界の圧力に屈して法人税を5%減税するといいだし、財源確保のための大増税に舵を切り始めた。相続税の増税や所得税の控除縮小は序の口で、財務省のいうがままに、消費税大幅アップもスケジュールに入ったようだ。

武器輸出、北朝鮮の核、沖縄など5000点の外交文書

   また、世界で見れば、内部告発サイト「ウィキリークス」の機密外交文書暴露で、アメリカは「世界秩序を崩壊させるものだ」と戦時体制のような勢いで、これを潰そうと躍起になっている。

   だが日本では、メディアを含めて、そうしたことよりも一歌舞伎役者が殴られたほうに関心が高いのだから、戦後、政府がとってきた愚民政策は大成功したといわざるを得ないだろう。

   文春は、巻頭で海老蔵事件を取り上げているにもかかわらず、「日本人が知らない『ウィキリークス』創設者アサーンジの『正体』」の中で、「いまや世界中で勃発している、この未曾有の『世界情報大戦』を知らないのは日本人だけという有様である」と嘆いてみせる。

   文中で、豪州紙に寄稿したアサーンジ氏はウィキリークスの意義をこう語っている。

「ウィキリークスが編み出したのは、『科学的ジャーナリズム』という新しいタイプのジャーナリズムである。(中略)ニュース記事を読んだその人が、記事のベースとなる元の文書までクリックして見ることができる。こうすれば読み手は自分の目でニュース判断ができる。この記事は本当だろうか? 記者は正確に伝えたのか? と。民主主義には強いメディアが不可欠だ。ウィキリークスはその一翼を担う」

   アサーンジ氏は、ウィキリークス活動とは直接関係のない「強姦」容疑で逮捕されたが、保釈金を払って釈放された。

   彼を支持するジャーナリストや有識者は世界中にいるが、機密文書「ペンタゴン・ペーパー」をニューヨーク・タイムズにリークしたダニエル・エルズバーグ博士は、「政府の情報は、結局は国民に知らせるべきだ」と語っている。

   だが、ニューズウイーク日本版(12月15日号)によれば、ニューヨーク・タイムズはウィキリークスから情報提供してもらえる5紙の一つなのに、手に入れた外交公電約25万点を、公表する前にオバマ政権に見せ、チェックさせて国家機密の情報源を危険にさらし、国家の安全保障を脅かす情報を削除したのだ。

   かつて報道の自由を掲げて国家と争い、勝利を勝ち取った輝かしい歴史を持つ米有力紙が、自ら報道の自由を捨て去ったと書かれる。メディアがおかしい方向に行っているのは、日本だけではないようだ。

   ウィキリークスを無条件で礼賛しようとは思わない。だが、今回の外交文書には、「武器輸出三原則の見直しに関する米外交公電、北朝鮮の核開発に絡む文書、沖縄密約に関するファイルなど、日本に関するものが五千以上入っている」(文春)といわれる。

   こうした情報を国民に知らせ、情報の真偽を政府に質すことこそメディアの役割である。

   政治といえば、小沢一郎対菅・仙谷・岡田の暗闘にばかり紙(誌)面を割くメディアは、もっと批判されていいはずだ。

「警察vs山口組」あぶれ組員の危険

   これも今の大手メディアではほとんど読めない情報に、司忍・山口組六代目の出所にからむ警察対山口組の攻防がある。

   警察庁長官の、山口組を弱体化させ壊滅せよとの指令の下、山口組の「トップ3」を暴対法違反容疑で次々に逮捕した。

   トップ3不在の山口組は、毎年12月13日に行われる山口組の組行事「事始式」を取りやめる異常な事態になっている。その上、「アサヒ芸能」によれば「山口組六代目を『出所後に逮捕』爆弾計画!」が、警察当局にあるというのだ。

   世界的に見ても最大の暴力組織が、トップ不在のまま流動化していくとどうなるのか。山口組は勢力を削がれるかもしれないが、離れていく組員たちが市民社会に紛れ込んで、取り締まりが難しくなりはしないのか。

   こうした問題は、新聞などでは取り上げないのだから、アサ芸、「週刊大衆」「週刊実話」だけに任せておかないで、他の週刊誌ももっと取り上げ、山口組を殲滅した後のことを警察当局がどう考えているのか、聞いてもらいたいものだ。

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