金賢姫ドキュドラマ―「爆破テロ」ディテールの迫真性すごい

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「大韓航空機爆破23年目の真実」(TBS)2010年12月13日21時~

   韓国というと筆者の中ではラングーン事件や金大中事件など、暗く血腥いイメージが付き纏うのだが、中でも最大のものは大韓航空機爆破テロ事件である。当時の報道は鮮明に覚えている。今回のドキュドラマは金賢姫への11時間ものインタビューと、彼女が語った事件の詳細をドラマ仕立てにした内容で強烈な印象を受けた。
   ディテールがすごい。金賢姫にとって金正日は「神のような存在」とか。どうすればそんな洗脳が出来るのか。彼の命令は「批准されたもの」という。批准とはこういう場合に使わないだろう。空港でプラスチック爆弾を仕込んだ日本製ラジオの特殊電池を一旦は没収されたこと。蜂谷真一が真由美(実は賢姫)のところに飛んできて日本語で怒鳴って電池を取り返したとか。毒薬入りのマルボロを銜える瞬間のやりとり。韓国に移送されてから賢姫が中国人と名乗っていたところ、「出身は黒龍江省五常市」と言ったら、「五常県はあるが市はない」、「君の訛りは広東地方のもので黒龍江省ではない」。
   正に事実は小説より奇なり、である。口を割らなかった金賢姫が事実を述べたのは拷問によってではなく、取調官の人道的な対応で心がほぐされたからというのは、韓国に対する遠慮が言わせているとしても、知的能力の高い彼女が、短時間で韓国について教えられていたことの嘘を見破った結果ではあろう。つまり、エリートを選んで工作員に仕立てた北の思惑が仇になったのである。意欲作。

(黄蘭)

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