仲間由紀恵「車椅子の殺人」リアリティなくトリックばればれ

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「特別企画 目線」(フジテレビ)2010年12月17日21時~

   天野節子原作で、仲間由紀恵が初めてサスペンスドラマに主演するというので大宣伝された作品だが、小説では騙されても、映像になると無理がモロばれで、結局、リアリティのない2流作品に終わった。大失敗作。大富豪の社長・堂島家の当主が誕生日パーティーの当日、1族が集まっているところで2階の書斎から転落死する。刑事・津由木(小日向文世)たちは自殺と断定するが釈然としない。
   ごちゃごちゃ筋を追ってもつまらないので、筆者がリアリティがないという根拠を示す。初7日の連続殺人では、元コックでパーティーの料理を引き受ける料理人(火野正平)や、主人公あかり(仲間由紀恵)の姉、次女でピアノの上手い貴和子や、運転手らが謎の死を遂げる。結局、犯人は1番疑われにくい車椅子生活の3女・あかりだという意外性が作者のウリなのである。が、これがいささか強引。
   「目線」という題の由来も、普通なら見えない高さの目線が車椅子のあかりにはあり、車椅子で窓の下を通っても、部屋の中からは座高が低くて目撃されないというのがトリックの1つ。筆者は原作を読んでいないが、文章の場合は違和感がなくても、映像になった場合、欠落しているのは音の問題である。どんな大邸宅でも、人1人が動いて(しかも車椅子で)大人を殺す場合、音や気配が全く気取られないということはあり得ない。2階に上がるには昇降機も使う。ここに集った人たちはみんなが見ザル聞かザル言わザル猿なのか。

(黄蘭)

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