阿部寛ギョロ目刑事の屈折…見所たっぷりだった「新参者」の過去

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「新春ドラマ特別企画 『赤い指』新参者」(TBS)2011年1月3日21時~

   昨年、連続ドラマで放送された「新参者」より以前の物語スペシャル版で、東野圭吾原作だけに、時代の抱える諸問題が殺人事件の動機や解決にうまく取り込まれていて考えさせる内容だった。時代の抱える問題とは、高齢化社会における老人認知症や末期がん、思春期の子供に起こる引き籠りやブチ切れ現象などである。
   主演は連ドラと同じく練馬西署の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)で、ミステリードラマとしては異例の、犯人を最初に知らせてしまう内容である。だが終始、ドラマには緊張感があり、犯人一家の嘘を暴いてゆく加賀の推理にも違和感はなかった。犯人一家とはサラリーマンの前原昭夫(杉本哲太)と妻・八重子(西田尚美)、昭夫の母親(佐々木すみ江)と息子の直巳である。殺人は直巳が犯した。
   犯人の家族と並行に問題を抱えた加賀の親子も描かれている。余命いくばくもない父親・隆正(山崎努)は元警官で、家庭を顧みない仕事人間だった。恭一郎の従弟は彼を見舞いに行けというが、加賀は頑として病院へは行かない。その理由は隆正が亡くなってから初めて明かされる。久しぶりの山崎努は流石の貫録であった。
   新参者の加賀恭一郎は阿部寛の代表作になるだろう。警視庁のエリートではなく所轄の刑事だが、鋭い眼光で真実を射ぬく直感力をもっている。ギョロ目の阿部が犯人に威圧感を与える。このドラマでも前原は次第に追いつめられてゆく。見所たっぷりだった。

(黄蘭)

採点:1.5
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