西村賢太「中卒フリーター」芥川賞―風俗に出かけてなくてよかった

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   第144回の芥川賞と直木賞がきのう(2011年1月17日)発表された。ともにW受賞となったが、「とくだね!」は芥川賞に着目、受賞者の朝吹真理子(26)と西村賢太(43)を対照的な2人として取り上げた。

   アナウンサーの中野美奈子が写真を手に「今回は、見た目の違いからも『美女』と『野獣』ともいわれましたが、まさに、フリーター、賞を取る、でした」と紹介。朝吹には「現役大学院生」、西村には「中卒フリーター」の肩書がついている。

小学生のとき一家で夜逃げ

   受賞会見で、朝吹が黒セーター黒スカート姿で「大変うれしい気持ちと畏怖との両方の気持ちがない交ぜになっている状態です」と文学的に喜びを表現したのに対し、西村はラフな格好で、受賞が決まった時のことを聞かれ「自宅で…、そろそろ風俗に行こうかなって、と思っていたんですけど、行かなくてよかったです」と笑いを誘った。

どっちを読むか

   育った環境も違う。朝吹の父は詩人、祖父はフランス文学者。サガンの翻訳で知られる朝吹登水子は大叔母。これに対し、西村は「父が非常に問題ある人物なんで」と語ったように、小学生のときに父親が事件を起こし、家族は夜逃げ同然の状態になったという。

   司会の小倉智昭が、「どっちを読むか、その人の趣向でかなり違いますけどね」とコメンテーターの竹田圭吾(ニューズウイーク日本版編集主幹)に聞く。

「西村さんにはまだまだネタがありそうな感じがある」

   キャスターの笠井信輔が補足する。「そうなんですよ。父親がなくなったらもっと書きたい。父親がいるので書けないことが多いとおっしゃっていました」

   これまでの候補作でも恋愛のトラブルや酒や貧乏のことを書いている。コメンテーターの中嶋朋子(女優)は「西村さんは、ご本人も気になりますし、ちょっと読んでみたい」

   どうやら、「とくだね!」の興味、関心は西村に向かったようだ。

文   一ツ石 | 似顔絵 池田マコト
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