鉄ちゃんブーム「アナログ的癒し」求めて200万人

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   インターネットやメール、さらにはツイッターなど、バーチャルな世界が広がるハイテク・情報大国日本。「クローズアップ現代」は、ハイテク社会の中の日本人の生き方を考えるが定番テーマの1つだが、今回は増加している鉄道ファンに焦点を当て、その背景を追った。

   キャスターの森本健成は現在、鉄道ファンは200万人以上いると紹介。その嗜好は同じではなく、列車の撮影に重点を置いた「撮り鉄」、様々なローカル線の旅を楽しむ「乗り鉄」、電車好きの子供に付き添っている間にいつの間にか自分も鉄道ファンになった「ママ鉄」など色々なグループに分けることができる。さらに、最近では女性の鉄道ファンも急増し、そんな1人、女子大生の細田めぐみの鉄道ファンになるまでを紹介した。

   細田さんが鉄道に興味を持ち始めたのは、大学まで通っていた電車の事故。仕方なく遠回りになる別の路線を使ったが、そこで目にしたのはそれまでと違う車窓の風景や乗客たちの姿だった。路線が違うとこんなに車内の雰囲気も景色も違うのかと、それからは色々な路線に乗り始めた。細田さんは「違う電車に乗るたびに心が癒されていくような感じがする。なんとなく心に余裕が出来たと思う」と語る。

   森本は「人間関係が希薄になっている現代社会で、それを繋ぎとめているのが鉄道では」と見る。

映画「RAIL WAYS」の大企業エリート

   ここで中井貴一主演の映画「RAIL WAYS」の監督・錦織良成が登場。この映画はそれまで出世街道を歩んでいた49歳の大企業のエリートサラリーマンが、同僚の死や母親の病によって退職。故郷の島根県に戻り、地元のローカル線の運転士になるという物語。錦織は映画についてこう語る。

「企画から完成までに10年という年月をかけた。その間、色々なローカル線を取材したが、そこで目にしたのはひと昔前までは東京や大阪などで活躍していた車両が、今は地方で頑張って走っている姿。効率やスピードだけが求められているデジタル思考の現代人が忘れてしまったことを思い出せてくれるのではと思いました」

   番組は小学生と40代サラリーマンが、時刻表展示会をきっかけに2日間で17本のローカル線に乗る姿も紹介。森本が「鉄道は世代を超えた共通言語ですね」と語れば、錦織は「ローカル線に乗っていると見知らぬ人から気軽に声が掛かる。僕たちが忘れてしまった人と人が直接ふれあうことができる絆、アナログな関係が作れる。それが鉄道ファンブームを起こしていると思います」と話す。

   そうか、鉄道ブームはデジタル世界に疲れた現代人にとって、アナログ的癒しというわけなのか。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2011年1月20日放送「世代つなぐ鉄道ブーム」)

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