「村木厚子ドラマ」お涙より高ビー検事との戦い描け

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「私は屈しない~特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日・お母さん負けないからね!」(TBS)2011年1月31日21時~

   世に名高い厚生労働省元局長・村木厚子の郵便不正冤罪なりかけ事件のドラマ化である。ジャーナリストの江川紹子が書いたエッセイが原案になっていて、彼女自身もドラマの前にコメントした。全体として事件の経過を我々は知っているが、大阪地検特捜部に事情聴取で出向いただけでいきなり拘束されてしまう経緯や、いわゆる被疑者落としの顛末などディテールには説得力があった。
   中井章子(田中美佐子、村木のそっくりさんだ!)は部下の事件で騒然となる庁舎内でも、初めは淡々と日常の仕事をこなしていた。それがある日・・・怒涛の拘置所入りになる。取り調べでは「まわりは皆自白している、貴女だけが否認するのはおかしい」と責められるが彼女は否定し続ける。高ビーな検事たちの描き方がおかしい。
   国会議員の口利きというくだりで登場する証人の代議士(伊東四朗)は、依頼されたはずの当日にゴルフに行っていたと逆転ホームラン的証言をするのだが、最後にちょっと出てきて美味しい場面をかっ攫った得な役だ。伊東四朗、元コメディアンの彼がいつの間にか大俳優になっていて感慨深い。美男でないのが却っていいのだ。
   真面目なドラマだが不満もある。母と娘のお涙部分は少しカットして、権力を持つ側の杜撰さや常識の無さ、どんな組織に於いても要は人間の知性と品性が総てを決めるので、強大な権力組織VSか弱い個人の絶望的な戦い、を主眼にした方がよかったのではないか。

(黄蘭)

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