田村正和ダンディ、松本清張の思い…優しく温かい今期1番のドラマ

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「告発~国選弁護人 第1回から第4回」(テレビ朝日)2011年2月3日21時~

   今期の連続ドラマの中では1番面白い。松本清張の複数の作品をミックスして新しく書き下ろしたと最後の方に説明文が出るが、第1に竹山洋の脚本がよく出来ている。1回目にフジテレビの「外交官・黒田康作」の初回スペシャルと裏表でバッティングしたために視聴率は稼げなかったが、2009年から時間をかけて作ったと情報誌に書いてあった通り、丁寧に作り込まれているのがわかる。
   国選弁護人の佐原卓治(田村正和)は金を度外視して弁護を引き受ける弱者の味方。友人の弁護士・岡部雅也(橋爪功)が巨悪事件に絡んでレイプ犯に仕立てられて以来、謎を追いながらも日々の事件で忙しい。一時期ギクシャクしていた娘の鶴子(相武紗季)や義妹の田中純子(真矢みき)が数少ない味方で、それに鶴子の婚約者も新しく加わる。第4、5回は前後編の連続で、子供殺しの犯人・清水熱子(若村麻由美、熱演)が殺人の際に見たという炎の情景を、佐原が幼児期の事件のトラウマだと睨んで解明しようとする話だ。
   嗄れ声の田村がダンディで素晴らしい。陰気くさいセットの国選弁護人の部屋では、まるで掃き溜めにツルのようだが、違和感なく見られるのは、ひとえに田村の目力が醸し出す演技力のたまものだ。テンポが速いので複雑な筋書をナレーション(遠藤憲一)で補う。別に問題ではない。ドラマの根底には弱者に寄り添った原作者、松本清張の思いが流れていて、限りなく優しく温かい。

(黄蘭)

採点:1.5
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