2024年 4月 17日 (水)

食い物にされた「総合支援資金」偽の名前・住所で回収不能続発

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貸し付けノウハウないままバラマキ

   鈴木亘・学習院大教授は「払い込み前に通知すれば避けられるはず。協議会には貸し付けのノウハウがなく、態勢が整わないままスタートしてしまった」という。

   制度の実効の面でも疑問が出ている。建設業で働いていた男性(25)は、失職後、毎日ハローワークへ通ったが職は見つからず、半年後に「総合支援資金」に頼る。毎月15万円が入るようになった。男性は「就職活動に身が入らなくなった」という。7か月後にアルバイトをみつけたが、借金は90万円になっていた。「返せる範囲で返すしかない」というが、彼はいま生活保護を受けている。むろん返済はできない。

   大阪府の協議会では6人の税務署OBが貸付先の調査をしているが、丸1日歩いて1人も会えないような状態が続いている。「住んでる形跡すらない。貸し付けるだけではダメ。自立のための相談までの態勢をとらないと」と調査員はいう。鈴木教授も「貸し付けを認める前にサポートするのが本来。見直しは待ったなし」といった。

   ドタバタと制度を作り、予算だけを確保して、実施は地方まかせという悪弊だ。かくて闇に消える額と、事業仕分けがひねり出す額とどっちが多いか…。

NHKクローズアップ現代(2011年2月14日放送「狙われたセフティーネット」)

文   ヤンヤン
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