2024年 4月 25日 (木)

新燃岳さえおぼつかない―火山国・日本のお寒い観測態勢

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各省庁がバラバラ活動

   では、新燃岳の噴火活動はどうなるのか。専門家はカギは地下の「マグマだまり」だという。マグマ学の専門家で火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長が次のように解説した。

「新燃岳の北西数キロ、深さ9キロと思われるあたりに、まだマグマがたまっています。また、以前からたまっていたマグマのかなりの部分が新燃岳へ移動し、軽石や火山灰を吹き上げているわけですが、それがいまも火口付近に溶岩のたまりとして存在しています。表面は冷えた岩に見えますが、内側はまだ溶けたマグマが存在し、その部分からガスが出てきて圧力がたまると、上の溶岩を吹き飛ばし爆発を起こす。それがいま起こっていることです。
さらに深いところのマグマの移動も続いており、この状況はしばらく続くでしょう」

   日本には世界の火山の7%に当たる108山があり、この20年間だけでも19山が噴火している。しかし、このうち24時間観測が行われているのは約半分だ。それも予算不足で機器の老朽化が進み、研究者も減少しつつあるという。

   藤井会長は火山国・日本のお寒い現状を次のような指摘した。

「複数の省庁にまたがる研究機関がそれぞれ火山の調査研究をしており、気象庁が監視に当たる役をやっています。世界のどの国も、一元化された機関が監視と調査研究を行っていて、そうしないと効率的な監視や調査研究ができない。
日本も早く一元化すべきで、とくに大学が法人化して以降は人材が乏しくなり、観測所が無人になっているところが増えています」

   こういうところにメスを入れるのが本来の事業仕分けの役割だったはずだ。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2011年2月16日放送「新燃岳噴火 どうなる『火山列島』」)
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