外国人の達者すぎる日本語「灯台下暗しのトウダイとは…」

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   ある日のこと。日本在住20年を越えるアメリカ人の方と番組打ち合わせで、ちょっと恥ずかしい体験をしてしまった。「灯台下暗しのトウダイってみなさん勘違いしているんですよね。あれは海の灯台ではなくて、昔の室内の照明器具の燈台ですよ」

   こう指摘され、私達は黙り込むばかり。ヤバい、まったく勘違いしてた。毎日使っている日本語でも実はわかっていなかった。彼は日本文学に興味があり来日して、いまや文筆業も日本語でこなす文才の持ち主。そりゃぁ日本語がうまくなるわけだなと納得してみるものの、ここのところ彼のような日本語が達者すぎる外国人と仕事をするケースが多い。

   たとえば、盆栽に魅せられ盆栽留学のため来日しているイギリス人男性。彼も時折、冗談を入れながら盆栽の魅力を説明してくれる。師匠のことを「親方」と呼び、どのように親方から指導を受けたのかを、これまた丁寧に日本語で説明してくれる。また、ある女性は日本の怪談に魅せられ、日本語で四谷怪談について瞳を輝かせながら語ってくれた。彼女は世界の人々に、日本の怪談についてより多くを知ってもらいたいのだと言う。どちらの方も豊富な日本語の語彙にこちらは舌を巻くばかりである。

しゃべりの達人が舌を巻いたある若者

   芸歴30年を越える某タレントさんが、番組収録終わりにポツリと呟いた話を思い出した。

「ボクラなんかより、海外で生活している若者のほうがよっぽどキレイな日本語でしゃべってますよ」

   某タレントさんはトーク番組で司会を25余年続け、いまでも毎日ゲストを迎えてトークを転がしている、まさにしゃべりの達人だ。その氏が海外で暮らす若者の日本語の美しさに驚いたという。たまたまテレビを見ていたら、ファッションや雰囲気は時代のフロントラインに立っているような若者が、妙に丁寧な日本語を話していた。

「エンターテインメントの本場で、日本人のワタクシがどれだけ力を発揮できるのか、日々精進でございます」

   ちょっと若者が喋るには固すぎるほどの丁寧な話し方。普段聞き慣れていない日本語に某タレントさんはビックリしたのだ。

   言葉は生き物。テレビをつければ、「どどすこ~」など言葉の組み合わせで新しい笑いが生まれ、雑誌を見れば「キュン死コーデ」なる新しい表現が絶えずどこかで生まれている。人は時として顔をしかめるが、こうして言葉は刻々と変化していく。

   しかし、海外で生活をしていると、こうした新語・珍表現に接する機会は少ない。彼らの日本語は日本を離れたときのままになるだ。そこが私達が彼らの日本語に美しさを見出すことなのかもしれない。

モジョっこ

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