テレビ各局「放送用テープ」争奪戦―ソニー工場被災で生産ストップ

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   こんなところでも品不足が起こっていた。撮影や編集などに使う高画質・高音質の放送用テープの生産が止まり、テレビ局や番組制作会社が争奪戦を繰り広げているのだ。テレビで使われるのは「HDCAM」規格のデジタルテープで、全体の7割をソニーの「ソニーケミカル&インフォメーション」の多賀城事業所が作っている。ところが、東日本大震災で工場1階が水浸しとなり操業が停止、いまだ再開のめどはまったくたたない。ストリンガー会長兼社長も「復旧の予測は非常に難しい」としている。

NHK素早く在庫確保?

   ソニー以外にも富士フイルムと日立マクセルも生産しているが、フル操業でも注文に応じきれない状態だ。

「テープだから再使用は可能なのですが、品質の維持や録画トラブルを避けるため、普通はやりません。でも、どこを探し回っても在庫がないものだから、泣く泣く再使用で間に合わせるプロダクションや番組も出てきています。そのための放送事故がすでに起こってますけどね。番組で同じシーンが2度流れたんです。当分はソニー製は供給ストップですから、バラエティやワイドショー、ニュースなどでもVTRで見せる時間が減るかもしれませんね」(中堅の番組制作会社)

   どうやら、ここでも「買い溜め」が起こっているらしく、ある民放スタッフは八つ当たり気味だ。

「震災でソニーの工場がやられたというのを知って、各局はすぐテープの確保に動いたんですが、すでにNHKにかなりの在庫を押さえられていたんです。さすがといえばさすがだけど、買い溜めやめろなんて言ってるくせに…」

   買い溜めとはちょっと違いように思えるが、それにしても、地上波デジタルだ、3Dだなんていっている時代に、テレビ局の撮影・録画がいまだにテープが主流とはちょっと驚きだ。ディスクやフラッシュに比べて、安定性、キャパシティ、使い勝手の良さが大きく違うのだそうである。(テレビウォッチ編集部)

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