サマータイム「ユニ・チャーム」5月2日から1時間繰り上げ
夏の電力不足をどう乗り切るか。各企業は節電対策に取り組み始めているが、注目されるのがサマータイム制度の導入だ。規模も分からないなかで効果も漠然としているが、「スッキリ!!」はメリット、デメリットを考えた。
欧州を中心に世界70か国採用
サマータイムは太陽が出ているうちに仕事を終え、節電に役立てようという狙いで勤務時間を1時間繰り上げる制度。欧州を中心に世界70か国が採用している。
いち早く導入を決めたのは紙おむつ、マスク、ペット関連商品などを製造するユニ・チャームCSR(本社・東京)。いまは午前9時始業、午後5時50分終業だが、5月2日(2011年)から午前8時から午後4時50分の勤務時間に切り替える。「これによって電力の消費量は5%削減、日頃の消灯などの節電活動で20%削減しており、合わせて25%削減を予定している」という。
東京に本社がある大企業が、一斉にサマータイムに切り替えてきちっと実施すれば相当の節約効果があるかもしれない。ただ、それをどこが音頭をとって実施するか。政府か、東京都か、あるいは自発的に企業に任せるのか。実施の範囲が決まらなければ効果も分からない。
切り替えコスト1000億円以上
メリットとデメリットを住環境計画研究所の中上英俊所長はこう見ている。まず、デメリットは鉄道会社や航空会社の時刻表をすべて改訂する必要があるほか、ラッシュ時間帯の渋滞を軽減するために調節している信号機の手直しも必要で、それらを含めた費用は1000億円以上という。
一方のメリットは、節電のほかは家族が触れ合う時間が増えるという副次的効果ぐらい。
本村健太郎(弁護士)「長期的にはサマータイムはいい。皆が真剣に節約を思ったのは今回が初めてと思う。これをきっかけに、毎年夏のピーク時に節電を本気で取り組むことに文句を言う人はいない。絶対やった方がいい」
おおたわ史絵(内科医)「今夏どのくらい猛暑になるか分からないが、いまみんなが持っている節電の気持ちを持ち続けていかないと…」
キャスターのテリー伊東「デメリットなど出す必要などない。やるならやるとしないと先に進まない。健康にもいいしね」
いっそのこと金がかかる夏場だけの切り替えをやめて、企業は年間通じて1時間前倒しにする8時始業にしてはどうか。各テレビ局が率先垂範して深夜放送中止などを実施すれば節電ムードはさらに盛り上がるかも…。