「孫文を守れ!」西太后の暗殺団阻止できるか素人護衛団8人

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(C) 2009 Cinema Popular Ltd. All Rights Reserved.
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<孫文の義士団>20世紀初頭のイギリス領香港。清朝打倒を掲げる孫文が、同志との密談のためこの地に入るという噂が流れた。情報を聞きつけた北京・紫禁城の西太后は500人の孫文暗殺団を香港に送り込む。これに対し、新聞社社長シャオバイや革命を支持する大物実業家ユータンらは、孫文を守るために護衛団を結成する。集まった護衛団はわずか8人だったが、孫文の香港滞在1時間を命がけで守ることを誓うのだった。実際にあった孫文暗殺計画を題材に、テデイ・チャンがメガホンをとった武侠アクション。

ワイヤー多用で目につく「ごまかし」

   映画は物語の要である孫文がほとんど登場しない。孫文を守る8人の義士が主人公であるという描き方は解かりやすい。また、8人の義士たちは一般の庶民で、「護衛」に対する思いにもバラつきがある。孫文の革命理念を理解していない庶民たちが、家族や自分のために戦い、結果としてその後の中国が大きく動いたという事実は、歴史の複雑さ、偶然性、皮肉を如実に物語っている。

   「500人の暗殺団VS8人の義士団」という宣伝文句からして、この映画の最大の見せ場はアクションシーンである。ところが、映像としてのクオリティーは高いが、やや「ごまかし」が目立ち、中途半端な印象は拭えない。CGを多用しない「リアル」を重視しているのだが、ワイヤー演出多用と動きすぎるカメラワークはフィックスでは耐えられない「ごまかし」のように見えた。

   また、義士団それぞれのキャラクターを印象付けるための演出ではあるのだろうが、「この時間はこの役者のシーン」という明確すぎる「出番構成」が全体を遮断し、全体のつながりがぼやけてしまった。

   めまぐるしく進化する「映像のクオリティー」だけではもう満足できない。中国映画ならではの工夫した映像が見たかったというのが正直な感想だ。ただ物語の作りは秀逸。孫文がこの時期に死んでいないことは誰もが知っている。その孫文をまったく映さず、「孫文の影武者」というファクターを作ったことで、最後まで話をダレさせない運びには成功している。

おススメ度☆☆☆

川端龍介

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