松坂慶子「借り腹」疑念湧かせぬ演技…でもやっぱり冒涜

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「マドンナ・ヴェルデ 第1回 第2回」(NHK)2011年4月26日22時~

   医者で作家で何百万部という大ベストセラーを産んだ海棠尊の原作、子宮を取ってしまった産婦人科医の娘・曽根崎理恵(国仲涼子)から自分の卵子で子供を産んでくれと頼まれた母・山咲みどり(松坂慶子)が、秘密裏にクリニックで移植手術を受け、妊娠し、それが周囲に漏れて大波紋を広げてゆく導入部である。NHK張り切るなあ。
   みどりは1人暮らしのふくよかな55歳、趣味は俳句の会、平凡だが心穏やかに暮らす母親で、エリートの娘とアメリカの大学で教える娘の夫とは偶にしか会えない。それがこの代理妊娠でめまぐるしい議論の渦中に巻き込まれてゆくらしい。かつて筆者はアメリカでの代理出産のニュースを聞いて、神への冒涜だと書いた記憶がある。「借り腹」が容認されれば、我儘な若い女が妊娠出産に伴う肉体的な苦痛を回避しようとして、金で他人に産んでもらうことも起こり得る。崇高な人間存在を金で汚す行為で、そんな子供を愛して育てられるはずがないというのが、主たる反対理由であった。今でも容認派ではない。
   このドラマは母娘の愛ゆえに引き受けるという視点から描いているので、2回までは登場人物に感情移入もでき、あまり違和感はない。松坂慶子の温かさが画面を支配していて疑念を湧かせないからである。そういう意味では作り手はまんまと成功しているが、代理妊娠を告発する怪文書が来たりして波乱含みだ。元日に、非常勤で勤務するクリニックで秘密の手術を決行するという設定はいささか疑問符だ。

(黄蘭)

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